乱視の方のICL手術
京都市伏見区のMOMOテラス内にあるももの木眼科は、“大切な目を守り続ける”をコンセプトに地域の皆様から信頼される眼科を目指し日々診療にあたっております。このブログでは、目に関する患者様のお悩みにお応えできるようなさまざまな情報をお届けして参ります。ICL(眼内コンタクトレンズ)は、角膜を削る必要がなく、小さな切開創からレンズを挿入することで、近視や乱視を矯正する治療法です。角膜に負担をかけず視力矯正ができることから今注目されています。今回は、“乱視の方のICL手術”について乱視のメカニズムも踏まえご紹介します。
乱視とは?そのメカニズムや種類をくわしく解説!
人は物を見る際に、自動的にピントを調整しています。しかし、乱視の場合は、どの距離で見てもピントが合わず、対象物がぼやけて見える状態です。乱視によって、日常生活に影響がないほど軽度なものから、対象物がしっかりと見えない重度のものまでさまざまな程度があります。
乱視のメカニズム
角膜や水晶体が均等な球面を持っている場合、光が1つの焦点で合わさり、物体を鮮明に見ることができます。しかし、角膜や水晶体が楕円体のような形をしており、短径と長径の長さが異なる場合、光の曲がり方が異なります。このため、焦点が1つに収束せず、物体がぼやけて見える状態が生じます。この状態を「乱視」と呼びます。
乱視は、正乱視と不正乱視の2種類に分類できる!
眼鏡などのレンズで視力が矯正可能な正乱視
乱視の中でも対称的な歪みが原因で起こっているもので、視力が矯正可能なものを正乱視といいます。
ハードコンタクトレンズでの矯正が必要な不正乱視
不正乱視は、角膜の不規則な形状や表面の歪みによって生じ、焦点が多数できるため物が重なって見える症状が現れます。主な原因は炎症や外傷、疾患で、円錐角膜が代表的な疾患です。通常の眼鏡やソフトコンタクトレンズでは矯正が難しく、ハードコンタクトレンズが矯正法として用いられます。重度の場合、ハードコンタクトレンズの適合には調整が必要です。
乱視のICL手術について詳しく解説
乱視にICL手術は可能か?
乱視の方でもICL治療を受けることは可能です。一般的に、眼鏡やコンタクトレンズで矯正できる範囲の乱視であれば、ICL手術が可能です。また、レーシック手術では適さない円錐角膜と呼ばれる不正乱視の疾患でも、症状の程度によっては適応となる場合があります。
乱視のICL手術は事前の検査や準備が大切
乱視のICL手術では、専用のトーリックレンズを使用して手術を行います。正確な乱視度数を測定することが非常に重要です。そのため、手術前には一定の期間コンタクトレンズを中止して専用の機器での検査を行います。
手術前の検査ではコンタクトレンズの使用を一時中止することが非常に重要
ICL手術を希望される方々の中には、コンタクトレンズを装用している方が多くいらっしゃいます。角膜の形状に影響を及ぼす可能性があるため、特定の期間内はコンタクトレンズの使用を中止する必要があります。この期間を守ることで、正確な角膜の状態を測定し、手術の成功に向けて最善の準備を行うことができます。
以下がコンタクトレンズの中止期間です。
ソフトコンタクトレンズ:検査の1週間前から中止
乱視用ソフトコンタクトレンズ:検査の2週間前から中止
ハードコンタクトレンズ:検査の2週間前から中止
乱視のICL手術では特に術後の経過観察が重要
ICLは可逆性が高く、安全性がありますが、手術にはリスクも存在します。合併症として眼圧上昇や白内障の併発、角膜内皮細胞減少、眼内炎などがあります。ICL手術後、確率としては低いですが、目の中でレンズが回転することがあり乱視のICL手術では特に注意が必要なため、経過観察は重要となります。
なぜ乱視のICLは回転に注意する必要があるのでしょう?
乱視用のトーリックレンズは、術前検査のデータに基づいて正確な位置にICLレンズを固定します。このため、レンズの回転を避けることが重要です。レンズが回転すると矯正効果が減少する可能性があり、回転が起きた場合は位置修正の再手術が検討されます。また、レンズサイズが小さいと考えられる場合には、大きめのICLレンズへの入れ替え手術も検討されます。
どのくらいの期間が経てば安心?
ICL手術後、約3ヶ月でレンズが安定します。特にトーリックレンズでは、レンズ位置の安定性を確保するために経過観察が重要です。医師の指示に従い、必ず術後の検診を受けるようにしましょう。
【まとめ】患者様の術後の良好な視力回復にこだわる!
当院では、ICL手術の認定を受けた眼科専門医が、手術前から後までしっかりとご対応させていただいております。検査では、国家資格である視能訓練士がICL術前検査を担当し、正確な乱視度数を測定し、高い精度でICL手術をサポートしています。私たちは患者様の良好な視力回復に重点を置いています。乱視で諦めている方は、ICL手術も選択肢の一つになると思います。