
緑内障と診断された方の中には、「運転を続けても大丈夫なのか」と不安を感じる方も多いのではないでしょうか。緑内障は視神経が障害され、徐々に視野が欠けていく病気です。進行すると、歩行者や標識の見落としにつながる可能性があり、運転時の危険性が高まることがあります。しかし、緑内障になったからといって、すぐに運転できなくなるわけではありません。
症状の程度や視野障害の範囲によっては、運転を続けられるケースもあります。ただし、自覚症状が少ないまま進行する病気であるため、定期的な検査と安全への配慮が重要です。本記事では、緑内障と運転の関係、運転時の注意点、避けるべき条件、検査方法について詳しく解説します。
緑内障になっても運転は続けられる?
緑内障と診断されても、すぐに運転禁止になるわけではありません。実際には、視力や視野の状態が運転基準を満たしていれば、運転免許を継続できる場合が多くあります。緑内障は初期の段階では中心視力が保たれていることも多いため、「問題なく見えている」と感じながら運転している方も少なくありません。
ただし、視野障害が進行すると、左右から来る車や歩行者、自転車などに気づきにくくなる可能性があります。そのため、緑内障の方は定期的に視野検査を受け、自分の見え方を客観的に把握することが重要です。安全に運転を続けるためには、症状に応じて無理をしないことが大切です。
運転に必要な視力
普通自動車免許では、一般的に「両眼で0.7以上、かつ片眼それぞれ0.3以上」の視力が必要とされています。片方の視力が0.3に達しない場合は、よく見える方の視力が0.7以上かつ視野が左右150度以上必要です。緑内障で問題となりやすいのは「視力」よりも「視野」です。
視力が良好でも、視野の一部が欠けていると、運転中に周囲の危険へ気づきにくくなる可能性があります。特に、左右の視野障害や下方視野欠損は、歩行者や障害物の見落としにつながることがあります。そのため、緑内障の方は視力検査だけでなく、定期的な視野検査を受け、現在の見え方を確認することが重要です。
緑内障の方が運転する危険性
緑内障は、自覚症状が少ないまま進行する病気です。例えば片方の視野が欠け始めていても、脳がもう片方の眼で補うため、自分では異常に気づきにくいことがあります。そのため、「問題なく見えている」と思っていても、実際には視野障害が進行している場合があり、本人に自覚がないまま危険察知が遅れてしまう可能性があります。特に運転中は、一瞬で多くの情報を処理する必要があるため、視野障害による影響が大きくなります。
信号や標識を見落とす
緑内障では、視野の一部が欠けることで、信号や道路標識を見落とす可能性があります。特に周辺視野が障害されると、横方向の情報に気づきにくくなります。運転中は前方に意識が集中しやすいため、視野障害があると側方からの情報を認識しづらくなることがあります。
また、進行すると視線移動だけでは補えなくなり、危険察知が遅れる可能性もあります。さらに、高速道路や交通量の多い道路では、短時間で複数の情報を判断する必要があります。視野の欠損が進行している場合、周囲確認が遅れ、急なブレーキや車線変更につながる危険性もあります。
車や歩行者の飛び出しに気づけない
緑内障による視野欠損では、歩行者や自転車、他の車両の飛び出しに気づきにくくなることがあります。特に交差点や駐車場では、左右から来る対象物への注意が必要です。しかし、視野障害があると、視界に入っていても気づくのが遅れる場合があります。
また、下方視野が欠けている場合は、足元や近距離の障害物を見落としやすくなることもあります。小さなお子さまや自転車が死角に入りやすくなるため、より注意が必要です。事故リスクを減らすためには、「見えているつもり」に頼らず、定期的な視野検査で現在の状態を確認することが大切です。
▼あわせて読みたい関連記事
「緑内障の初期症状4つ。セルフチェックの方法や危険因子も解説」
緑内障の方が運転を避けるべき条件
緑内障の方でも運転は可能な場合がありますが、状況によっては事故リスクが高くなるため、運転を控えた方がよいケースがあります。安全のためには、自分の視野状態や運転環境を理解し、無理をしないことが重要です。また、「昼間は問題なく運転できるが、夜になると見えづらい」「運転中にヒヤッとする場面が増えた」といった変化がある場合は注意が必要です。
慣れていない地域での運転
初めて走る道や慣れていない地域では、標識確認や周囲への注意が増えるため、視野障害の影響を受けやすくなります。特に複雑な交差点や車線変更が多い道路では、情報処理量が増え、危険察知が遅れる可能性があります。
また、カーナビの確認や周囲への注意が同時に必要になることで、視野障害による影響がより強く出ることもあります。緑内障の方は、できるだけ慣れた道を運転するよう意識しましょう。
悪天候や夜間の運転
雨や霧、夜間など視界が悪い環境では、緑内障による見えづらさが強くなることがあります。特に夜間は、対向車のライトがまぶしく感じたり、暗い場所の対象物を認識しづらくなったりする場合があります。
また、雨天時は路面反射によって視認性が低下するため、歩行者や自転車への気づきが遅れる可能性があります。ワイパーによる視界の遮りや、水滴による視界不良も重なるため、通常時より危険性が高まります。見えづらさを感じる場合は、無理に運転を続けないことが大切です。
交通量が多い道路での運転
交通量が多い道路では、多方向から情報が入ってくるため、視野障害による影響を受けやすくなります。高速道路や市街地では、車線変更や周囲確認を頻繁に行う必要があります。しかし、視野が欠けていると、隣車線の車両や歩行者を見落とすリスクがあります。
特に疲労時は注意力が低下するため、長時間運転も避けた方がよいでしょう。また、渋滞中や交通量の多い時間帯は判断する情報量が増えるため、普段以上に慎重な運転が必要です。運転に不安がある場合は、主治医に相談し、自身の視野状態について確認することが大切です。
緑内障の検査方法
緑内障の診断では、眼圧や視神経、視野の状態などを総合的に確認します。ここでは、代表的な緑内障検査について解説します。
眼圧検査
眼圧検査は、眼の硬さを測定する検査です。緑内障では眼圧が高くなることがありますが、日本人では正常範囲内でも発症する「正常眼圧緑内障」が多いことが知られています。一般的には、空気を当てて測定する「非接触型眼圧計」が用いられます。短時間で終わり、痛みもほとんどありません。
より詳しく調べる必要がある場合は、点眼麻酔をして角膜に直接触れる方法で測定することもあります。そのため、眼圧だけで緑内障の有無を判断することはできませんが、重要な基礎検査の一つです。
隅角検査
隅角検査は、房水の出口である「隅角」の状態を確認する検査です。隅角とは、角膜と虹彩の間にある房水の排出口で、ここが狭くなったり塞がったりすると、眼圧が上昇しやすくなります。検査では、専用のレンズを用いて隅角の広さや閉塞の有無を確認します。
緑内障には、隅角が開いている「開放隅角緑内障」と、隅角が狭くなる「閉塞隅角緑内障」があります。特に閉塞隅角緑内障では、急激な眼圧上昇によって強い目の痛みや頭痛を起こすことがあるため、早期発見が重要です。
眼底検査
眼底検査では、視神経乳頭や網膜の状態を観察します。緑内障では、視神経が徐々に障害されるため、視神経乳頭のへこみが大きくなったり、神経線維に異常が見られたりすることがあります。眼底検査では、こうした視神経の変化を確認し、緑内障の有無や進行状況を判断します。検査では眼底カメラや専用レンズを使用して目の奥を観察します。場合によっては散瞳薬を使用するため、検査後に一時的にまぶしさを感じることがあります。
視野検査
視野検査では、「見えている範囲」を調べます。緑内障では、視野が徐々に欠けていきますが、初期の段階では自覚しにくいことが特徴です。そのため、視野検査によって初めて異常が見つかることも少なくありません。
代表的なのは「静的視野検査」で、片目ずつ機械をのぞき、周囲に見える小さな光に反応していく検査です。集中力が必要な検査ですが、緑内障の進行状況を把握する上で非常に重要です。また、視野検査は運転への影響を評価する際にも重要な検査となります。
OCT検査
OCT検査は、網膜や視神経線維の厚みを詳しく調べる検査です。近赤外線を用いて目の断面を撮影するため、目に触れることなく短時間で検査できます。痛みもほとんどありません。緑内障では、視神経線維が徐々に薄くなっていきます。OCT検査では、この変化を非常に細かく確認できるため、視野異常が現れる前の初期段階でも異常を発見できる可能性があります。
近年では、緑内障の早期診断や経過観察に欠かせない検査の一つとなっています。また、緑内障の検査は複数を組み合わせて行うことで、より正確な診断につながります。40歳以上の方や、家族に緑内障の方がいる場合、強度近視の方は、症状がなくても定期的に検査を受けることが大切です。
▼あわせて読みたい関連記事
「緑内障の検査方法5つ。セルフチェックのやり方や治療法も解説」
緑内障に関して不安がある方は、京都市伏見区のももの木眼科にご相談ください

緑内障は、自覚症状が少ないまま進行する病気です。特に運転をされる方は、視野障害による危険性を理解し、定期的に検査を受けることが重要です。「最近見え方に違和感がある」「視野が狭く感じる」「運転中にヒヤッとすることが増えた」といった症状がある方は、早めの受診をおすすめします。
また、「自分では問題なく見えていると思うが不安がある」という方も、一度検査を受けることで現在の状態を確認できます。京都市伏見区のももの木眼科では、視野検査やOCT検査などを行い、緑内障の早期発見・治療に努めています。運転に関する不安や、緑内障について気になることがある方は、お気軽にご相談ください。LINEからのご予約・お問い合わせも受け付けております。





