
ICLは、レーシックとは異なり角膜を削らず、目の中にレンズを挿入して視力を回復させる治療法で、高度な視力矯正が可能です。視力が大きく改善されるため、眼鏡やコンタクトレンズが不要になる方も多く、術後は裸眼で快適に生活できるようになります。
ICL手術後に忘れがちなのが運転免許証の更新です。手術によって視力が良くなっても、免許証に「眼鏡等」と記載されたままでは、裸眼での運転は違反行為となり、罰則の対象になる可能性があります。手術後は必ず運転免許証の条件解除手続きを行う必要があります。
本記事では、ICL手術後に運転免許証を更新すべき理由から、実際の手続き方法、罰則内容、費用や期間、さらには術後に運転を再開できるタイミングまでの情報をまとめています。
ICL手術後は運転免許証の更新が必要
ICL手術後は運転免許証の更新が必要
ICL手術後に運転免許証を更新する必要がある理由は、視力が大きく変化するためです。ICL手術は近視や乱視を矯正する高度な視力矯正手術であり、裸眼視力が大きく改善されます。
運転免許証には視力条件があり、たとえば普通自動車免許では「両眼で0.7以上、かつ片眼で0.3以上」が必要です。ICL手術によってこの条件を満たすようになると、眼鏡やコンタクトレンズを使用せずに運転が可能になります。
しかし、もともと眼鏡やコンタクトレンズを使用していた方は、免許証には「眼鏡等」という条件が記載されていることが多く、ICL手術に裸眼で運転することは違反となってしまいます。そのため、手術後には運転免許試験場などで視力検査を再度受け、条件を変更または解除してもらうための運転免許証の更新が必要です。これにより、実際の視力と免許証の記載内容が一致し、法的にも問題の無い状態となります。
「眼鏡等」の記載が残ったまま運転するとどうなるか?
ICL手術で視力が改善された場合でも、運転免許証に「眼鏡等」の条件が記載されている限り、それに従わなければなりません。たとえ裸眼での視力が運転に必要な基準を満たしていたとしても、免許証に記載された条件に違反して運転すれば、それは法的な違反となります。違反点数や罰金といった行政処分の対象となるほか、事故発生時には過失が重く見られる可能性もあります。
1.道路交通法第91条の違反となる
道路交通法第91条第1項: 免許を受けた者は、その免許に付された条件に従って車両等を運転しなければならない。
「眼鏡等」の条件が付されている運転免許を持っている場合、それは「眼鏡やコンタクトレンズを装着して運転すること」が法律上の条件となります。この条件に違反して裸眼で運転した場合、道路交通法第91条第1項に違反することになります。
この規定は、運転に必要な能力を確保するための条件を守らなければならないことを示しており、たとえ術後に視力が十分に回復していても、免許証の条件変更手続きを行わずに裸眼で運転することは法律違反です。
実際には見えているから大丈夫でも、「免許証の条件に従っていない」ことで違反と見なされます。
2.違反点数と反則金の対象となる
「眼鏡等」の条件違反は、運転免許の条件違反として、行政処分の対象になります。
– 違反点数:2点
– 反則金(普通車の場合):7,000円
違反点数が累積すると、免許停止になることもありますし、特に他の交通違反と合わせて発生した場合には、処分が重くなるケースもあります。
3.事故時の過失責任が重くなるおそれも
条件違反の状態で交通事故を起こした場合には、通常よりも過失責任が重く見られる可能性があります。
保険会社との契約内容によっては、「条件違反により事故が発生した場合は保険金の支払いを制限または免責とする」といった条項が含まれていることもあります。
運転免許証の「眼鏡等」を外す手続き
運転免許証に記載されている「眼鏡等」の条件を解除する手続きは、以下の流れで行われます。
1. 手続き場所の確認
お住まいの都道府県の運転免許試験場や運転免許センターで手続きが可能です。
一部の警察署でも手続きを受け付けている場合がありますが、地域によって異なるため、事前に確認が必要です。
2. 必要書類の準備
– 運転免許証:現在お持ちのもの。
– 申請書:「条件解除(変更)申請書」などの名称で、手続き窓口に用意されています。
3. 受付時間の確認
平日のみ受付の場合が多く、時間帯も各施設で異なります。各施設のHPに記載されているので事前に調べておくことをお勧めしています。
4. 視力検査の受検
裸眼での視力が運転に必要な基準を満たしているか検査します。
検査に合格すれば、その場で条件解除が行われます。
5. 新しい免許証の交付
視力検査に合格後、即日で新しい免許証が交付されます。
運転免許証の「眼鏡等」を外すのにかかる期間・費用
ICL手術で視力が改善された場合、運転免許証の「眼鏡等」の条件を外すためには、運転免許証の条件変更(条件解除)手続きが必要です。この手続きは比較的シンプルで、費用や所要時間もそれほど大きな負担にはなりません。
手続きにかかる期間
手続きは原則として即日完了します。免許試験場や一部の警察署では、その場で視力検査を受け、問題がなければすぐに「眼鏡等」の条件を解除した新しい免許証が交付されます。 ただし、混雑状況や地域によっては、手続きに数時間かかることもあります。
なお、警察署では条件変更の手続きができない、または当日発行に対応していない場合もあるため、事前に電話で確認することをお勧めします。
必要な費用
「眼鏡等」の条件を外すための手数料は約2000円程度です。この費用で視力検査および新しい免許証の発行が行われます。通常の更新とは異なり、免許証の有効期限とは関係なく、いつでも手続きが可能です。
ICL手術後はいつから運転できる?
ICL手術後は、早ければ手術翌日の受診で医師からの許可がでれば運転ができますが、経過によっては少し時間がかかることがあるので、医師の指示をしっかり守ってください。以下にICL手術後の見え方についてまとめていますので、ご参照ください。
手術当日
手術時に使用する散瞳剤の影響で視界が不安定になるため、運転は厳禁です。手術当日は0.3程度の視力になることが多いです。帰宅時は、公共交通機関の利用や送迎を手配しましょう。
手術翌日以降
翌日の検診で視力が回復し1.0以上見える人がほとんどです。この時点で医師から許可が出れば、運転再開が可能となります。ただし、慣れが必要なので見え方にまだ違和感がある場合は、運転は控えたほうがよいでしょう。
夜間運転
術後、特に夜間は「ハロー・グレア」と呼ばれる光のにじみや眩しさを感じることがあります。この症状は、数日から数週間で軽減されますし、慣れたら気にならなくなりますが、術後しばらくは夜間運転時には特に注意が必要です。
ICL手術後に気をつけるべきこと一覧
ICL手術後は、視力が回復して快適な生活が期待できますが、目の状態が安定するまでの間は、日常生活の中でいくつか注意すべきポイントがあります。ここでは、術後の回復をスムーズに進め、合併症などを防ぐために、運転以外で気をつけるべきことを一覧でご紹介します。
1. 目をこすらない
術後の目は非常にデリケートです。目をこすることで汚れが目の中に入ったり、レンズの位置がずれる可能性があります。特に術後1週間は気をつける必要があります。
2. 水が目に入らないようにする
手術数日は入浴・洗髪は避ける必要があります。翌日以降は首から下の入浴は医師の指示に従って再開できますが、目に水が入らないように十分注意しましょう。湯船につかる場合も、顔を水に近づけすぎないようにしてください。
洗髪は術後3日後程度から可能です。ただし、それまでの間も美容院などで仰向けで水が入らないよう人に髪を洗ってもらうのは問題ありません。
3. 化粧
術後1週間は、アイメイクなど目の周辺の化粧は禁止です。細菌感染の原因になりやすいため、再開は医師の許可を得てからにしましょう。ファンデーションなど目元以外の化粧は翌日以降でも可能です。
4. 飲酒
手術当日は飲酒は禁止です。翌日以降も、炎症や内服薬への影響を避けるため、少なくとも1週間程度はアルコールを控える方が良いでしょう。
5. スポーツ・運動
軽い散歩やストレッチは数日後から可能ですが、強目の運動(ランニング、球技など)は術後1週間は控える必要があります。特に水泳は感染リスクが高いため、術後1ヶ月は控えてください。
6. スマホ・パソコンの使用
術後しばらくは疲れやすさを感じやすくなります。スマホやPCは少しずつ時間を延ばし、適度に目を休ませながら使用するようにしましょう。
7. 処方された点眼薬をきちんと使う
抗菌薬や抗炎症薬など、術後に処方される点眼薬は必ず指示通りに使用してください。自己判断で中止したり、忘れることは炎症や感染の原因になります。
8. 定期検診を必ず受ける
術後は視力の安定や合併症の有無を確認するため、医師の指示通りに定期検診を受けることが非常に大切です。
ICL手術に関してご不安がある方は、京都市伏見区のももの木眼科にご相談ください

ICL手術は、知っている人が増えて受けるひとが多くなってきている人気の手術です。しかし、術後の生活や運転免許に関する手続きなど、意外な見落としポイントもあります。そういったことも含めて詳しく話を聞いてみたいという方は、ぜひ一度、ICL認定施設の病院に相談してみてください。
京都市伏見区にあるももの木眼科では、ICL手術に関する無料WEB相談を随時受け付けています。一人ひとりの目の状態に合わせて、術前検査から術後フォローまで丁寧に対応いたします。安心して手術に臨むためにも、まずはお気軽にお問い合わせください。ももの木眼科がしっかりサポートいたします。