
ICL手術後は、翌日には見えていることが多いので感動する一方、術後のスマホ操作など日常動作を誤ると痛みや炎症、感染リスクを高める恐れがあります。
手術当日は、目に新しいレンズを挿入した直後で角膜創の回復が不十分なため、スマホの近距離ピント調節やブルーライトなどの強い光刺激が痛みやかすみを誘発し、術創部への負担が大きくなります。翌日以降は短時間の使用が可能になりますが、最初の1週間は目の乾燥・瞬き減少による細菌感染防止のため長時間操作を避け、点眼と休息を優先する必要があります。
本記事では、ICL術後のスマホ使用をどうすればいいかを中心に、アイメイクや運転、入浴、運動、デスクワークなど、術後の注意点を詳しく解説します。
ICL手術当日のスマホは原則NG
ICL手術当日は、目に新しいレンズを挿入した直後で傷口がまだ閉じ切っておらず、炎症を抑える薬の効果も安定していません。また視力自体も手術当日は0.3程度しか見えないので、見えにくいです。スマートフォンは近距離で見ることになるので、ピント調節のための筋肉が動くことで痛みが生じることがあります。
さらにブルーライトや高輝度の光刺激が術後の光過敏や痛み、かすみを起こしやすいです。また仰向けでスマホを見ていると落として目に当たることもあるので、少なくとも手術当日はスマホを控え、点眼と休息を優先しましょう。手術の翌日にはかなり見えるようになるので、長時間でなければスマホを見てもかまいません。
ICLの術後一週間もスマホは控える
ICL手術直後は、角膜創と眼内の炎症が完全に落ち着いておらず、細菌感染を防ぐ抗菌点眼や保護眼鏡が必要な状態です。術後翌日からは長時間でなければ、スマホをみることはできます。
しかし術後1週間は、スマホの小さな文字や強いブルーライトを長時間凝視すると瞬きが減り、目が乾くことで涙による目の表面の洗浄が滞ってしまい、細菌感染の原因になることもあります。また近距離でのピント調節は目の筋肉に負荷をかけ、痛みがでることもあります。
視力が安定し傷がふさがるまでの最初の7日間は、通知確認や短時間の連絡程度にとどめ、長時間の動画視聴やゲームは避けましょう。医師の指示に従い、点眼と休息を守ることが早期回復への近道です。
ICLの術後にスマホを見すぎると視力は低下する?
ICL術後にスマホを見ていいですか?見たら視力が下がりますか?と聞かれることがありますが、視力が下がってしまうという心配はいりません。
前述の記事にあるように手術直後に長時間スマホをみることは良くありません。しかし、ICLは目の中に固定されるレンズのため、術後落ち着いた後は近距離での作業がレンズ自体に影響を与えることはありません。ICLレンズは眼内で固定されるため、長時間の近見作業でも位置がずれる心配はありません。
適宜休憩を取り、医師の指示に従った点眼ケアで目を潤すことで、快適なスマホ利用が可能です。スマホを使いすぎてもICLの機能や視力そのものに悪影響はありませんので、安心してご利用ください。
その他、ICLの術後に気をつけるべきこと
ICL手術で視力が劇的に改善しても、術後の生活習慣やケアを怠ると合併症のリスクが高まったり、不快な症状が長引いたりします。ここでは特に患者様からのご相談が多い7つの項目について、具体的な注意点と実践的な対策をより詳しく解説します。各項目を参考に、術後の生活をストレスなく過ごしてください。
ICL術後の化粧・メイク・スキンケア
術後3日間はアイメイクは禁止
傷口が完全にふさがるまでの3日間は、アイシャドウ・アイライナー・マスカラを含むアイメイクすべてを中止してください。まつ毛エクステやまつ毛パーマも同様です。
ファンデーションや日焼け止めも、目のギリギリまでは伸ばさず、こめかみや頬骨の高い位置までで留めてください。目の中に入ると感染の原因になります。
4日目以降は目の周囲に少し余裕をもってならOK
4日目以降、特に異常がなければ、綿棒に少量のパウダーアイシャドウを取り、軽くトントンとのせる程度ならOK。ただし、目のギリギリの部分は避けて目から少し距離をとって余裕がある範囲でのみ行いましょう。
スキンケアは目を中心に外側にむけて
洗顔後の化粧水や乳液は、手のひらに適量をとり、目の周りから少し距離をとったところからはじめて、外側に向けて広げていきましょう。
ICL術後のカラーコンタクト
術後1ヶ月間はすべてのコンタクト禁止
傷口が完全塞がるまでは、カラー・サークル・度付きコンタクトを含め、一切の装用は禁止です。手術後1ヶ月経てば、使用できるようになります。
酸素透過率の高いコンタクトレンズを使用する
装用再開後は酸素透過率の高い1dayソフトレンズを使用しましょう。傷が塞がった後とはいえ、コンタクトレンズによる感染症には注意が必要です。1dayレンズは感染が起こりにくく、コンタクトレンズによるアレルギー反応も起きにくいです。
装用ルールの徹底を
装用前後の手洗いは30秒以上、流水と石けんでしっかり洗いましょう。1dayタイプの使用を推奨しますが、2week以上のレンズを使う場合はケースを月1回以上交換し、保存液も毎日入れ替えてください。
ICL術後の二重整形
最低3ヶ月あける
二重手術のあとは、腫れや出血によるダウンタイムがあります。ICL手術のあとが落ち着いていないうちにこの状態になると診察がうまくできなかったり、ICLに何か問題があった場合にも対処ができないことがあります。
最低でもICL手術から二重整形手術までは、3ヶ月はあけ、十分に状態が安定してから受けましょう。
ICL→二重手術 の順で手術をする
ICL手術では目を手術中しっかり開けるための器具を使って手術をします。そのため、二重の手術後の縫合部分などに少なからず影響がでることがあります。そのため、どちらも手術を考えているのであれば、ICL手術を先に行うのがよいでしょう。
二重手術を受ける施設に情報を伝える
ICL手術を受けている旨を必ず伝えてください。ICLの手術をしているからといって受けられない美容の施術は基本的にありませんが、目を圧迫することはできる限り避けてもらう必要があります。
ICL術後の運転
視力が良好なら翌日以降から可
術翌日に当院で視力検査、術後診察を受け、しっかり見えていれば運転可能です。ただし、夜間のハロー・グレア現象やまぶしさの感じ方には個人差があるため、初めの数日は日中のみ運転し、夜間は避けるのが無難です。
まぶしさ対策にサングラスを使用する
術後しばらくの間は通常よりまぶしさを感じやすかったり、まぶしさで少し痛みを感じることもありますので、刺激を軽減するためにサングラスを使用するものよいです。
ICL術後の入浴・洗顔
術後3日間は首から下のシャワーのみ
顔を濡らさないよう、術後3日間はシャワーで上半身のみ洗い、浴槽やサウナは厳禁です。湯船の蒸気や温度変化も腫れを悪化させるため避けましょう。
4日目以降はぬるま湯で洗顔を
ぬるま湯で顔を軽く濡らし、泡立てた洗顔料を手のひらで包み込むようにして顔全体をやさしく洗います。目元は意識して目を閉じ、泡や石鹸が残らないよう丁寧にすすいでください。
ICL術後の運動・スポーツ
術後1週間は軽い運動のみ
心拍数や血圧が急上昇する運動(ランニング、筋トレ、球技など)は傷口がひらいたり、目に物理的な衝撃を受けたりする可能性があるので禁止です。ウォーキングやストレッチなどは問題ありません。
1週間後から少し強めの運動は可能
ランニング、筋トレ、球技などはこの時期からにしてください。球技ではボールが目にあたると大変なので十分に注意する必要があります。
水泳は1ヶ月後から
水が目の中に入る可能性があるため、水泳は傷が完全に塞がる1ヶ月以降からにしてください。
ICL術後のデスクワーク
20–20–20ルールで目の休憩
ICL手術後は遠くにピントが合い視力が上がりますが、その分近くを見る時は疲れることがあります。20分作業ごとに20秒間、20フィート(約6m)先を見て目を休ませる習慣を20-20-20ルールといいます。この習慣を身につけることで疲れにくくなります。
モニターは目線より10–20cm下にセット
上方向に画面があるとまぶたが無理に開き、乾燥しやすくなります。顎を軽く引いた自然な目線で画面中央が少し下にくるよう高さを調整しましょう。
湿度を高めに保つ
加湿器で適度な湿度を保ち、それでも乾燥を感じる場合はヒアルロン酸などのドライアイ用点眼薬を定期的に差して角膜表面を潤してください。
ICL手術にご不安がある方は、京都市伏見区のももの木眼科にご相談ください

これまで解説した術後ケアのポイントをしっかりおさえていただくことで、ICL手術後のトラブルを未然に防ぎ、快適な裸眼生活を長くお楽しみいただけます。術後のスマホ使用やメイク、入浴・洗顔、運動、デスクワークまで、日常のあらゆるシーンでの注意事項を守りつつ、必要に応じて医師の指示に従った点眼や定期検診を継続してください。
少しでも「これで大丈夫かな?」と不安に感じたら、遠慮なくご相談を。京都市伏見区のももの木眼科では、ICL手術に精通した専門医が皆様の疑問やお困りごとに丁寧にお応えします。LINEでの簡単予約やオンライン相談もご利用いただけますので、術前の相談から術後ケアまで、お気軽にお問い合わせください。