
緑内障は、視神経が障害されることで視野が徐々に狭くなる病気で、進行すると失明のリスクもある疾患です。初期には自覚症状がほとんどないため、「気づいた時には進行していた」というケースも少なくありません。そのため、診断後は治療だけでなく、日常生活の過ごし方も重要になります。
緑内障には閉塞隅角というタイプのものがあり、その場合実は、何気ない行動や生活習慣が眼圧を上昇させ、病状を悪化させる可能性があります。本記事では、緑内障の方がやってはいけない事を6つに分けてわかりやすく解説し、あわせて気をつけたい食べ物や生活上の注意点についてもご紹介します。
緑内障の方がやってはいけない事6つ
緑内障の進行を抑えるためには、診断・治療だけでなく日常生活でも注意することがいくつかあります。
長時間うつむく
一部のタイプの緑内障においては長時間うつむいた姿勢は、眼圧を上昇させる原因となります。スマートフォンの操作や読書、パソコン作業などで前かがみの状態が続くと、眼球内の圧力が高まりやすくなります。特に顔を下に向けた状態が長く続くと、房水の流れにも影響が出る可能性があります。
デスクワークの多い方は、椅子や机の高さを調整し、できるだけ目線が下がりすぎない環境を整えることが大切です。また、作業中は適度に休憩をとり、軽いストレッチや姿勢のリセットを行うなど、目や体への負担をこまめに軽減することを心がけましょう。
お酒を飲み過ぎる
適量のアルコールであれば大きな問題にならない場合もありますが、過度な飲酒は体内の水分バランスを崩し、眼圧の変動を引き起こす可能性があります。また、アルコールは一時的に血管を拡張させた後、収縮させる作用があるため、視神経への血流が不安定になることも考えられます。
さらに、飲酒によって生活リズムが乱れたり、点眼を忘れてしまったりするリスクもあります。緑内障の管理には継続性が重要なため、飲酒習慣は見直すことが望ましいでしょう。
喫煙する
喫煙は血管を収縮させ、全身の血流を悪化させる要因となります。視神経は非常に繊細で血流の影響を受けやすいため、喫煙によってダメージが進行するリスクが高まります。また、タバコに含まれる有害物質は酸化ストレスを増加させ、神経細胞の障害を助長する可能性もあります。
受動喫煙も同様に影響を及ぼすため、周囲の環境にも注意が必要です。喫煙は加齢黄斑変性など他の病気にも悪影響がありますので、緑内障と診断された場合には、視機能を守るためにも禁煙を強く検討しましょう。
水分を一気に摂取する
水分補給自体は健康維持に不可欠ですが、短時間で大量の水を飲むと、一時的に眼圧が上昇することがあります。これは体内の水分バランスが急激に変化することによる影響と考えられています。特に運動後や入浴後など、喉が渇いた状態で一気に飲みたくなる場面では注意が必要です。
コップ1杯程度をこまめに分けて摂取することで、体にも目にも負担をかけにくくなります。とはいえ通常の生活をしている範囲では緑内障に影響がでるほどのことにはなりません。
無酸素運動をする
重いものを持ち上げる筋トレなどの無酸素運動は、瞬間的に眼圧を上昇させることがあります。特に息を止めて力む動作は、眼内圧の急激な上昇につながるため注意が必要です。ただし、運動そのものが悪いわけではありません。むしろ適度な運動は血流改善やストレス軽減につながります。ウォーキングや軽いジョギング、ヨガなど、呼吸を止めずに行える有酸素運動を中心に取り入れるとよいでしょう。
ストレスをため続ける
慢性的なストレスは自律神経のバランスを崩し、血流や眼圧に悪影響を及ぼす可能性があります。こちらも一部の緑内障のタイプの場合は注意が必要です。ストレスによって交感神経が優位な状態が続くと、血管が収縮し、視神経への血流が低下する恐れがあります。また、ストレスは睡眠不足や食生活の乱れ、飲酒量の増加など、他のリスク行動を引き起こす要因にもなります。趣味の時間を持つ、適度に体を動かす、十分な睡眠を確保するなど、日常の中でリラックスできる時間を意識的に作ることが大切です。
これらの行動を避けることは、緑内障の進行を止めるものではありませんが、悪化のリスクを減らすうえで非常に重要です。治療だけに頼るのではなく、日々の生活習慣を見直すことで、視神経への負担を軽減し、より良い状態を維持しやすくなります。医師の指示に従いながら、自分自身でもできる対策を積み重ねていきましょう。
緑内障の方が気をつけるべき食べ物・飲み物
緑内障の進行を抑えるためには、点眼治療と通院がもっとも重要です。日々の食生活で気をつけることを気にされる方も多いです。基本的にはあまり普段の食生活や生活習慣が緑内障に影響を与えることは少ないですが、食事内容は血流や血圧はわずかに眼圧に影響を与える可能性があり、視神経への負担に関係しないとはいえません。また、病気は緑内障だけではないので、他の目の病気、身体の病気のことを考えた場合バランスの良い食生活が重要です。
糖質
過剰な糖質摂取は血糖値の急上昇を引き起こし、血管への負担を増やします。こちらも直接、眼圧に影響して緑内障を悪化させることはないですが、糖尿病網膜症という病気を引き起こすことがあります。特に清涼飲料水や菓子類、精製された炭水化物を多く摂る習慣がある方は注意が必要です。
血糖値の急激な変動を防ぐためには、食物繊維を多く含む野菜や、低GI食品を取り入れることが有効とされています。糖尿病網膜症が悪化すると血管新生緑内障という重症の緑内障を引き起こすことがあるので注意が必要です。
塩分
塩分の過剰摂取は高血圧の原因となり、血圧と眼圧は完全に別のものですので眼圧には影響はほとんどありません。とはいえ高血圧は動脈硬化による網膜血管閉塞や、高血圧網膜症といった病気の原因になるので注意が必要です。インスタント食品や加工食品、外食は塩分が多くなりやすいため、できるだけ控えめにし、家庭では減塩を意識した調理を心がけましょう。
脂肪分
脂質の多い食事は動脈硬化を促進し、全身の血流を悪化させる要因となります。視神経は血流に依存しているため、血行不良はダメージの進行につながる恐れがあります。特に飽和脂肪酸を多く含む揚げ物や脂身の多い肉類の摂りすぎには注意が必要です。一方で、青魚に含まれるEPAやDHAなどの不飽和脂肪酸は血流改善に寄与するとされており、適度に取り入れるとよいでしょう。
カフェイン
カフェインは一時的に眼圧を上昇させるデータもありますので、短時間に大量に摂りすぎることには注意が必要です。ただし、適量であれば大きな問題にならず、むしろ抗酸化作用によって緑内障によい影響があるという報告もあります。
アルコール
前述の通り、アルコールは適量であれば問題ないこともありますが、過剰摂取は眼圧や血流に悪影響を与える可能性があります。日常的に飲酒する場合は、量を決めて習慣化しないよう意識することが大切です。
緑内障になったら注意すべき点
緑内障と診断された後は、日常生活の中で意識すべきポイントがいくつかあります。これらを守ることで、進行を抑えることにつながります。
通院を怠らない
日常生活や生活習慣で気をつけることも効果がないわけではないですが、緑内障は慢性的に進行する病気であり、定期的な検査と診断が不可欠です。症状がないからといって通院をやめてしまうと、知らないうちに視野が失われてしまう可能性があります。
特に視野検査や眼圧測定、OCT検査などは、進行の程度を把握するために重要です。治療の効果判定や点眼薬の調整も定期的な受診によって行われるため、自己判断で通院を中断しないことが大切です。
※緑内障の検査について詳しく知りたい方は「緑内障の検査方法5つ。セルフチェックのやり方や治療法も解説」に関する記事もご覧ください。
禁忌薬に気をつける
緑内障の種類によっては、特定の薬剤が眼圧を上昇させることがあります。閉塞隅角緑内障の方では、抗コリン薬や一部の風邪薬、抗ヒスタミン薬などが症状を悪化させる可能性があります。また、市販薬であっても影響が出る場合があるため注意が必要です。他科を受診する際や薬局で薬を購入する際には、必ず「緑内障であること」を伝えるようにしましょう。
お薬手帳を活用することも有効です。当院では必ず患者様に緑内障の種類を紙面にしてお渡しするようにしていますが、自分がどのタイプの緑内障か把握していない場合は必ず主治医に確認するようにしましょう。
生活習慣を整える
規則正しい生活は、全身の健康だけでなく目の健康にも大きく関わります。睡眠不足や不規則な生活は自律神経の乱れを引き起こし、血流や眼圧の変動につながる可能性があります。また、点眼治療を行っている場合は、決められた時間に正しく使用することが重要です。生活リズムを整えることで、治療の継続もしやすくなります。無理のない範囲で運動を取り入れることも、血流改善の面で有効とされています。
疾患によっては並行治療した方が良い
糖尿病などの生活習慣病は、緑内障の進行に影響する可能性があります。これらの疾患によって血管の状態が悪化すると、視神経への血流が低下し、ダメージが進みやすくなると考えられています。そのため、眼科だけでなく内科などと連携しながら全身の健康管理を行うことが重要です。
緑内障に関して不安がある方は、京都市伏見区のももの木眼科にご相談ください

緑内障は早期発見と適切な治療、そして緑内障のタイプを把握した上での日常生活での注意が重要な病気です。しかし、「何に気をつければいいのかわからない」「この症状は大丈夫なのか不安」と感じている方も多いのではないでしょうか。
京都市伏見区のももの木眼科では、緑内障の検査・診断から治療まで丁寧にサポートしております。視野検査やOCTなどの精密検査にも対応し、症状の進行度に応じた最適な治療をご提案いたします。また、点眼治療だけでなくレーザー治療や手術のご相談にも対応可能です。「検査だけ受けたい」という方や、少しでも不安がある方はお気軽にご相談ください。LINEでのご予約・お問い合わせにも対応しております。





