
コンタクトレンズのつけ外しやケアの手間、そしてメガネの煩わしさから解放されたいと思ったことはありませんか?視力矯正手術といえばレーシックやICLがよく知られていますが、2025年4月に日本で正式承認された「IPCL」という新しいレンズも、今注目を集めています。
IPCLはICLとほぼ同等の性能を持ちながら、より幅広い度数に対応できることが特徴で、これまで「ICLでは度数が合わず手術できなかった」「費用が高くて踏み切れなかった」という方にも有力な選択肢となる可能性があります。
ICL同様、眼の中にレンズを挿入することで、裸眼視力を回復させる手術です。本記事では、IPCLの特徴、メリット・デメリット、ICLとの違い、そして手術の流れまでを、初めての方にもわかりやすく解説します。
IPCLとは
IPCL(Implantable Phakic Contact Lens)とは、イギリスのEyeOL社が開発した視力矯正用レンズで、日本語では「有水晶体眼内レンズ」と呼ばれます。水晶体を残したまま、虹彩(黒目)の裏側にレンズを挿入することで視力を改善する手術方法です。素材には眼内環境との相性が良い「ハイブリッド親水性アクリル」が使用されており、レンズ表面にタンパク質が付着しにくく、長期的に安定しやすい構造を持っています。
IPCLは国内未承認の範囲の度数を含めると非常に広い度数のレンズ製作が可能で、ICLでは対応するレンズがなかった方でも適応できるケースが多いのが特徴です。費用につきましても、基本的にはICLより抑えられる点も大きなメリットです。
IPCLの特徴
IPCLは、角膜を削らずに視力を回復できるため、レーシックでは対応が難しい方にも適応の可能性が広がります。ここでは、IPCLの主な3つの特徴について解説します。
遠視・近視・乱視に対応している
IPCLの大きな魅力は、矯正できる度数の範囲が非常に広いことです。国内承認されたIPCLレンズでは、近視度数が-3〜-18D(ディオプター)、乱視が1.0〜4.5Dで、この範囲はICLと同等です。
さらに、国内未承認の範囲の度数を含めると、遠視・近視・乱視、ほぼ全ての度数に対応可能となっており、これまで手術を諦めていた方でもIPCLであれば裸眼での生活が叶う可能性があります。
見え方の質が高い
IPCLは、素材に「ハイブリッド親水性アクリル」を使用しています。これは眼内環境と非常に相性が良く、タンパク質がレンズ表面に付着しにくい性質を持ちます。さらに、「エクセレントクリアーサーフェイス」という技術の採用により、表面が非常になめらかでクリアな構造となっており、光学的なノイズが少ないため、コントラストが高く鮮明な視界を確保できます。
角膜を削らないため角膜構造を保てる点も大きな強みで、レーシック後に起こりやすい「近視の戻り」が起きにくく、長期的に安定した視力が期待できます。
切開創が小さい
IPCL手術は短時間・日帰りで受けることができます。角膜を約2.8mm程度切開するのみでレンズを挿入でき、切開創(傷口)が非常に小さいため、術後の回復が早く、異物感や炎症リスクも低減されます。縫合の必要もないため身体への負担が少ないです。
IPCLのメリット・デメリット
メリット
・見え方の質が高い
角膜を削るレーシックでは、コントラスト感度(色のくっきり具合)の低下やドライアイによる見えにくさが生じることがあります。一方、ICLやIPCLは眼内のレンズで矯正するため光学的な質が高く、鮮やかな見え方が期待できます。
・強度近視にも対応
レーシックでは角膜を削る量に限界があるため強度近視や乱視では不適応になりますが、ICLやIPCLは、強度近視や乱視でも手術可能です。また、IPCLは国内未承認の範囲の度数を含めると、ほぼ全ての度数に対応可能です。
・元の状態に戻せる
一度削った角膜は元に戻せませんが、ICLやIPCLはレンズを取り出すことで元の状態に戻せます。
デメリット
・手術適応にならない場合がある
近視の度数が安定していない方、眼内に炎症がある方、前房(角膜と虹彩の間のスペース)が浅い方は手術に適さない場合があります。
・ハローグレア(ハログレア)現象
光がにじんで見える現象をハロ現象、光の周りにリングがあるように見えたり、眩しく見えたりするのをグレア現象と言います。これは、術後ほとんどの方が経験します。個人差はあるものの、時間の経過とともに緩和され、日常生活に支障がないレベルに落ち着きます。
・費用が高額
IPCL手術は健康保険の適用外で、自費診療のため治療費が高くなります。ただし、ICL手術と比較するとリーズナブルになる場合が多いです。また、ICLやIPCLは医療費控除の対象で、年間で支払った医療費が10万円(または所得の5%)を超えた場合、確定申告をすることで税金が還付されます。
・特定のレンズでは納期が長い
乱視用IPCLや特注のIPCLはICLに比べてレンズの納期が長くなります。通常のレンズはICLと同じ約1週間ですが、乱視用IPCL、特注IPCLの場合は約2ヶ月かかります。
・感染症や合併症のリスクがある
ICLやIPCLは眼内手術であり、感染症のリスクが少なからず存在します。感染が起こった場合にはレンズを抜去して治療を行う必要があります。
IPCLとICLの違い
IPCLはEyeOL社というイギリスの会社が開発したレンズで、日本で正式に承認されたのは2025年4月と最近です。このIPCLをICLという名前で掲載している施設もありますが、ICLとは厳密にはアメリカのスター社が作っている物だけを指しますので、IPCLとICLは異なるものです。ただ、術後の視力改善や合併症のリスクに関しては、どちらもほぼ同等といわれています。主な違いは下記の通りです。
| IPCL | ICL | |
| 費用 | 両眼49万円〜 | 両眼66万円〜 |
| 素材 | アクリル(ICLと比べると硬い) | コラマー(非常に柔らかい) |
| 手術数 | 世界10万件以上 | 世界300万件以上 |
| 国内承認時期 | 2025年 | 2014年 |
| 納期の目安 | 最短1週間〜最長2ヶ月 | 約1週間 |
IPCLがおすすめの方
IPCLは「裸眼での生活を送りたい」「メガネやコンタクトが煩わしい」と感じている方に特におすすめです。ドライアイでコンタクトが合わない方、スポーツや仕事で装用が不便な方、強度近視や乱視でレーシックが適応外だった方にも選択肢が広がります。
さらにICLでは度数が合わず手術が難しかったケースでも、IPCLなら対応できる可能性があります。こうした理由から、幅広い屈折異常の方にとって、裸眼で快適に生活できるチャンスを広げる治療といえます。
適応条件
・年齢が20歳以上:当院では25歳以上を推奨しております
・目の健康状態:眼の健康状態が良好で、医師によって視力と眼の形状が手術適応と判断される方。
・既存の眼疾患の有無:白内障や緑内障などの重要な眼の疾患がないこと。
・妊娠・授乳状態:妊娠中または授乳期間ではない女性。
・眼内スペース:眼球内にレンズを挿入できる十分なスペースが存在すること。
・手術歴:過去に目の手術を受けている場合は、手術内容により適応が変わります。手術歴や既存の持病がある場合は医師に必ず申告し、手術を安全に受けられるかどうか医師が眼内の状態を確認し判断します。
※最終的な適応は、精密検査と医師の診断によって決定されます。
IPCL手術の流れ
まずは、患者様ご自身のご都合に合わせて無料のオンライン説明会をご予約ください。しっかり手術について説明させていただき、その後、適応検査(完全予約制)のご案内をいたします。
適応検査
他の科で治療を受けている方は、主治医の診療情報提供書をご持参いただくようお願いいたします。当院の適応検査は無料となっております。ICL・IPCLの手術が可能かどうか検査します。結果はLINEで送付し、LINEで術前検査日の調整を行います。
術前検査
術後の見え方を決定する検査と医師の診察を行います。また、術前検査では散瞳(目薬による瞳の拡張検査)を実施します。検査当日はお車の運転ができませんので、ご留意ください。また、普段コンタクトレンズを使用されている方には、検査の1〜2週間前から使用を中止していただく必要があります。
術前検査前にソフトコンタクトレンズ(乱視なし)は検査1週間前、ソフトコンタクトレンズ(乱視あり)やハードコンタクトレンズご使用中の方は、検査2週間前からコンタクトを中止してください。
当日検査
手術当日には、体調(体温、血圧測定)や眼の状態に問題がないか確認をします。
手術
点眼麻酔で痛みの少ない状態で行い、角膜を2.8mm程度切開してレンズを挿入します。挿入した眼内コンタクトレンズを、虹彩と水晶体の間に固定し、位置を調整して終了します。手術時間は片眼10分程度です。
術後診察
手術直後に眼圧やレンズ位置を確認し、異常がないかを確認します。術後1週間は保護眼鏡をつけてお過ごしください。
翌日診察
翌朝、目を覚ました際には異物感がほぼ消え、ほとんどの方がクリアな視界を実感できます。目を覚まされたら直ちに点眼を始め、必ずご予約通りに来院してください。翌日受診ができない場合、手術はできません。
定期検診
1週間後、1か月後の間隔で受診していただき、経過良好の場合、以後は状態をみて必要時ご受診いただきます。何か気になる症状等がありましたら、定期受診の間隔を待たずに、ご受診ください。
IPCLを検討されている方は、京都市伏見区のももの木眼科にご相談ください

IPCLは、強度近視や乱視、また遠視でお悩みの方にとって、裸眼での生活を取り戻すための非常に有効な選択肢です。特に、ICLレンズの度数合わずで適応外となった方でも、IPCLなら矯正が可能になるケースがあります。
京都市伏見区の「ももの木眼科」では、患者様一人ひとりの眼の状態やライフスタイルに合わせた丁寧な診察とご提案を行っております。「自分はIPCLを受けられるの?」など興味のある方は、ぜひ一度当院にご相談ください。皆様の「見える喜び」をサポートできるよう、スタッフ一同心よりお待ちしております。





