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【理事長ブログ】緑内障の目薬の種類と正しい点眼方法を解説。目薬以外の治療方法も

2025.12.04
この記事を監修した人

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医療法人P.I ももの木眼科 理事長。日本眼科学会認定 眼科専門医として、眼科領域における高度な専門性と確かな臨床実績があります。屈折矯正手術、特に ICL・IPCL(眼内コンタクトレンズ)手術を得意とし、丁寧な適応評価と術後フォローまで一貫した診療を行っています。白内障・緑内障診療にも精通し、大学病院レベルの高度な手術を地域の身近なクリニックで実現できる体制を構築しています。京都府眼科医会理事として地域医療の発展にも尽力し、地域の皆さまが安心して相談できる“目の専門医”として、わかりやすい医療情報の発信に努めています。

【理事長ブログ】緑内障の目薬の種類と正しい点眼方法を解説。目薬以外の治療方法も

緑内障は、自覚症状がほとんどなく進行するため「サイレントキラー」とも呼ばれる目の病気です。一度ダメージを受けた視神経は元に戻らないため、早期発見・早期治療が非常に重要となります。

 

治療の基本となるのが、眼圧を下げるための目薬(点眼薬)です。しかし、緑内障の目薬には様々な種類があり、それぞれ眼圧を下げる仕組みや、副作用が異なります。また、正しく点眼しなければ十分な効果が得られないばかりか、副作用のリスクを高めることもあります。どの薬を選ぶかは、眼の状態や生活スタイルによって異なります。

 

この記事では、緑内障治療で用いられる主な点眼薬の種類と特徴、正しい点眼方法、さらに目薬以外の治療法までを詳しく解説しますので、緑内障の治療に不安を感じている方はぜひ参考にしてください。

緑内障治療で用いられる目薬の種類

緑内障の目薬は大きく分けると“房水の排出を促進する薬”と“房水の産生を抑える薬”の2種類があります。症状に合わせて1個ないし複数の緑内障の目薬を組み合わせて使用します。

 

緑内障の目薬はドライアイになったり、目が充血したり、目の周りが黒ずんだりするという副作用が多いですが、緑内障の進行を防ぐために必要なものになります。

 

プロスタグランジン関連薬

プロスタグランジン関連薬は、眼圧下降効果が最も高く、現在、緑内障治療の第一選択薬として広く用いられています。

 

・作用: 房水(目の中の水)の排出を促進することで、眼圧を下げます。

 

・特徴: 1日1回の点眼で効果が持続するため、点眼忘れが少なく、治療の継続がしやすい点がメリットです。

 

・主な副作用: 目の充血、まつげが伸びる、目の周りの皮膚の色素沈着(くまのように見える)、眼瞼下垂(まぶたが垂れ下がる)などがあります。充血は時間とともに軽減することが多いですが、色素沈着は長期使用で顕著になることがあります。

 

・代表的な薬剤:「ラタノプロスト」「トラボプロスト」など。

 

β遮断薬

β遮断薬(ベータしゃだんやく)も古くから使われている緑内障治療薬で、プロスタグランジン関連薬の次に選択されることが多い薬剤です。また、プロスタグランジン関連薬と併用されることも多いです。

 

・作用: 房水の産生を抑えることで、眼圧を下げます。

 

・特徴: プロスタグランジン関連薬と同様に、眼圧下降効果が高いとされています。

 

・主な副作用:全身に作用することがあるため、喘息の発作誘発、徐脈(脈が遅くなる)、心不全の悪化などがあります。そのため、喘息や心臓病の持病がある方は使用できない場合があります。

 

・代表的な薬剤:「チモプトール」「カルテオロール」など。

 

EP2受容体作動薬

プロスタグランジン関連薬とは異なる経路で房水の排出を促進する目薬です。

 

・作用: 線維柱帯という房水の排出口を介した房水排出を促進します。

 

・特徴: プロスタグランジン関連薬で効果が不十分な場合や、副作用で使用できない場合に選択されることがあります。

 

・主な副作用: 目の充血、眼瞼色素沈着、眼周囲多毛などがあります。

 

・代表的な薬剤:「オミデネパグ イソプロピル(エイベリス)」など。

 

炭酸脱水酵素阻害薬

炭酸脱水酵素阻害薬には、点眼薬と内服薬があります。点眼薬は主に房水の産生を抑えることで眼圧を下げます。

 

・作用: 房水の産生を抑えることで、眼圧を下げます。

 

・特徴: 他の薬剤と併用されることが多いです。

 

・主な副作用: 目がしみる、苦みを感じる(点眼後に喉に流れるため)、目のアレルギー反応などがあります。内服薬では、手足のしびれ、食欲不振、腎機能障害などの全身性の副作用が起こることがあります。

 

・代表的な薬剤:「ドルゾラミド」「ブリンゾラミド」など。

 

交感神経α₂刺激薬

このタイプの目薬は、房水の産生を抑え、さらに房水の排出を促進する二つの作用で眼圧を下げます。

 

・作用: 房水の産生を抑制し、ぶどう膜強膜経路からの房水流出を促進します。

 

・特徴: 他の目薬で効果が不十分な場合や、他の目薬が使えない場合に検討されます。

 

・主な副作用: 目が充血する、眠気、口の渇き、アレルギー性結膜炎(目のかゆみ、充血)などが報告されています。

 

・代表的な薬剤:「ブリモニジン」

 

Rhoキナーゼ阻害薬

最近登場した新しいタイプの緑内障治療薬です。

 

・作用: 房水流出経路である線維柱帯の細胞の構造を変化させ、房水の排出を促進することで眼圧を下げます。

 

・特徴: 従来の目薬とは異なる作用機序を持つため、他の薬剤と併用することで、さらなる眼圧下降効果が期待できます。

 

・主な副作用: 目の充血、結膜下出血(白目が赤くなる)、角膜上皮障害(目の表面の傷)などがあります。

 

・代表的な薬剤:「リパスジル」「ネトルサジル」など。

緑内障の目薬の正しい点眼方法

緑内障の治療において、目薬は医師から処方されたものを正しく使うことが非常に重要です。誤った点眼方法は、効果が十分に得られないだけでなく、副作用のリスクを高めることにもつながります。ここでは、正しい点眼方法とその注意点について解説します。

 

目薬をさした後は1分程度目を閉じる

点眼後すぐに目を開けたり、まばたきを繰り返したりすると、目薬が涙と一緒に流れてしまい、十分に目に留まりません。1分ほど目を閉じて軽く押さえることで、薬が目全体に行き渡ります。これにより、目薬が涙点(目頭にある小さな穴)から鼻や喉へ流れ込むのを防ぎ、全身への吸収を抑えることができます。

 

特にプロスタグランジン関連薬では、目薬が目の周りの皮膚に触れると色素沈着の原因となることがあるため、目を閉じるだけでなく、清潔なティッシュで余分な目薬を拭き取ることも大切です。もし点眼後に苦みを感じる場合は、目薬が喉に流れているサインですので、しっかりと目頭を押さえることを意識しましょう。

 

目薬は1回あたり1滴にする

「たくさんさせば効果が高まるのでは?」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、目薬は1回1滴で十分です。目に入る目薬の量には限りがあり、複数滴さしてもそれ以上は目からあふれてしまうだけです。

 

また、複数の種類の目薬を点眼する場合は、異なる目薬を同時に点眼せず、5分以上の間隔を空けて点眼することが推奨されています。これは、複数の目薬が混ざり合うことで効果が薄れたり、副作用のリスクが高まったりするのを防ぐためです。

 

目薬の容器が肌やまつげに触れないようにする

目薬の容器の先端が、目やまつげ、指などに触れてしまうと、容器のなかに細菌やほこりが入ってしまう可能性があります。汚染された目薬を使うと、目の感染症を引き起こすリスクがあります。

 

点眼する際は、清潔な手で容器を持ち、容器の先端が目に触れないように注意しながら、下まぶたを軽く引いて点眼するようにしましょう。点眼後はティッシュで軽く涙を拭き、清潔に保つことが大切です。

 

特に、目の周りの皮膚が弱い方やアレルギー体質の方は、清潔な状態を保つことで皮膚トラブルのリスクを減らすことができます。家族や友人と目薬を共有することは絶対にやめましょう。目薬はあくまでご自身専用のものです。

 

また、使用期限を過ぎた目薬は、効果が低下したり、変質したりしている可能性があるため使用せず、新しいものに交換するようにしてください。

緑内障の目薬以外の治療方法

緑内障の治療は目薬が基本となりますが、目薬だけでは眼圧のコントロールが難しい場合や、目薬の副作用で使用が困難な場合には、レーザー治療や手術が検討されます。

 

レーザー治療

目薬を使用する代わりに、レーザー治療で眼圧を下げることができます。

 

SLT(選択的レーザー線維柱帯形成術):

・特徴:低出力のレーザーで線維柱帯を照射し、房水の排出を活性化したり、目詰まりを解消したりして、眼圧の低下をはかります。

 

・メリット: 治療は数分程度で終わり、痛みも副作用もほとんどない安全な治療です。手術とは違いますので、生活の制限は全くありません。点眼薬の数を減らしたり、場合によっては点眼が不要になったりする可能性があり、毎日の点眼の煩わしさから解放される点が大きなメリットです。

 

・デメリット:持続期間には個人差があり、1〜2年程度効果は続くとされていますが、レーザーの効果が切れた場合は再度レーザー治療を行うことで眼圧を下げる必要があります。ただし、眼の状態や緑内障のタイプによっては、レーザー治療が適応にならないこともあります。

 

・治療期間・費用: 通常、片眼で数分程度。費用は下記のとおりです。(2025年10月現在)

 

診察項目 1割 2割 3割
緑内障レーザー
(SLT)
片眼 10,500円 18,000円 31,300円
両眼 18,000円 18,000円 60,600円

※再診料や上限額には個人差があるため、あくまでも参考費用となります。

 

手術

レーザー治療でも眼圧が十分に下がらない場合や、進行が早い緑内障の場合には、手術が検討されます。ももの木眼科では白内障手術と同時に行う線維柱帯切開術(トラベクロトミー)を日帰りで行っております。その他の手術がより適切と判断される場合には、連携先の病院をご紹介いたします。

 

線維柱帯切開術(トラベクロトミー):

・特徴: 房水がスムーズに流れるように、出口部分にある「線維柱帯」という場所を切り開く方法です。出口の通り道が広がることで眼圧を自然に下げることができます。感染症などのリスクが比較的少なく、安全性の高い治療法とされています。

 

・メリット: 白内障の手術と同時に行える手術でもあり、眼への負担を軽くしながら効果的に治療ができます。

 

・デメリット: 濾過手術ほどの強力な眼圧下降効果は期待できないことがあります。

 

・治療期間・費用: 手術時間は短く、日帰り手術です。費用の目安は18,000円〜100,000(両目)です。※自己負担限度額の制度により、収入によってご負担額が異なります。

緑内障の治療を検討されている方は、京都市伏見区のももの木眼科にご相談ください

緑内障の治療を検討されている方は、京都市伏見区のももの木眼科にご相談ください

緑内障は、早期発見・早期治療が非常に重要です。目薬の種類や正しい点眼方法、目薬以外の治療方法についてご説明しましたが、ご自身の状態に合った最適な治療を選択するためには、専門医との相談が不可欠です。 

 

ももの木眼科では、患者さま一人ひとりの生活に合わせた治療プランを提案しています。点眼治療だけでなく、レーザーや日帰り手術も行っておりますので、 京都市伏見区で緑内障治療をお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。LINEからのご予約やお問い合わせも受け付けております。

 

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