
春の花粉飛散期、目のかゆみや涙目に悩む花粉症の方にとって、コンタクトレンズでの視力矯正は二重のストレスです。レーシックでは角膜を切開することでドライアイが悪化しやすくアレルギー性結膜炎がでたときの不快感が大きくなりますし、コンタクトレンズは花粉の付着で症状を助長することがあります。
一方、ICLは角膜を削らず眼内にレンズを挿入するため、ドライアイ悪化のリスクが少なく、強度近視や乱視にも対応可能です。手術時間は短く、必要な場合にはレンズを抜去できる可逆性も備えています。本記事では、花粉症がある方に向いている視力矯正方法について、ICL・レーシック・コンタクトレンズ・眼鏡と比較しながら詳しく解説します。
花粉症でもICL手術は受けられる?
花粉症はアレルギー性結膜炎を伴うことが多いので、目に影響があります。しかし、適切な対策を行えば花粉症の方でもICL手術は可能です。まず術前に抗アレルギー点眼薬を使い、結膜の炎症とかゆみを落ち着かせます。手術直前には目をこすらないよう徹底し、細かい傷がない状態をつくることが大切です。
手術後1週間は保護メガネで花粉や異物の侵入を防ぎながら、抗菌・抗炎症点眼を継続して感染リスクを最小化します。術後の目薬には花粉症によるアレルギー結膜炎を抑える効果もありますので、術後点眼をしている間はかゆみが出ることはほとんどありません。目を擦るのがくせになっている方は特に術後は保護メガネをかけたほうがよいでしょう。
ICL手術は花粉の時期を避けた方が良い?
ICL手術の際、症状の強い方に関しては花粉の飛散が多い時期は可能なら避けるのが望ましいです。花粉症による結膜炎のかゆみで目をこすってしまうと目に傷がついてしまいます。ただし、抗アレルギー点眼薬で症状をコントロールし、眼科医により十分に炎症が落ち着いていると判断された場合は、季節を問わず手術可能です。
目薬で症状が治らない場合は、最も飛散量が多い2〜4月は避け、飛散前後や症状が落ち着いた時期を選ぶと安心でしょう。最終的には術前検査と診察で結膜の状態を確認し、医師と相談のうえ安全なタイミングを決定してください。花粉シーズンを考慮したスケジュール提案や術前点眼の処方を相談しましょう。
花粉症の方に最適な視力矯正方法とは?
花粉症の方は、春先から目のかゆみや結膜の炎症によって日常の快適さを大きく損なわれがちです。視力矯正方法を選ぶ際にも「手術後にアレルギー症状が悪化しないか」「コンタクトで花粉が目に入らないか」など、不安要素が増えます。
本稿では、代表的な4つの矯正手段であるICL、レーシック、コンタクトレンズ、眼鏡を「メリット」「デメリット」「費用」の三項目で比較します。花粉症との相性を踏まえながら、それぞれの特徴をご紹介します。
ICL
ICLのメリット
角膜を削らないためドライアイは悪化しないですし、眼内にレンズを挿入する手術ですので、角膜表面を傷つけることもありません。花粉症による結膜炎と眼表面の状態の悪化が併発しても、レーシックほどドライアイが悪化しにくい特長があります。
・強度近視・乱視にも対応
いわゆる強度近視や強度乱視に問題なく対応できます。眼鏡やコンタクトでは難しいケースでも、裸眼で1.0以上の視力が期待できます。
・可逆性がある
将来,度数が変化した際や合併症が起きた場合でも、レンズを抜去・交換して元の状態に戻せます。将来の老眼や白内障治療の際にも対応しやすいです。
・スポーツやアウトドアで非常に快適
裸眼視力となるため、花粉飛散期は度数無しの保護メガネやサングラスとの併用で視界を確保しつつ花粉をブロックできます。
ICLのデメリット
・費用が高額
両眼60~70万円程度と、自由診療の中でも高額です。医療ローンや分割払いに対応してくれるクリニックもあります。
・術後ケアが必須
術後1週間は保護メガネ装用、1ヶ月の抗菌・抗炎症点眼が必要。術後の目薬は強力に炎症を抑える効果があるので、この目薬をしている間は花粉症の症状も一緒に抑えられます。
・合併症リスク(低確率)
感染症(眼内炎)は0.0167%、一過性の眼圧上昇も報告あり。術後管理を徹底すれば安全性は高いですが、完全にゼロではありません。また重度のアトピー性皮膚炎など合併症のおこりやすいリスク因子もあり、しっかりとした問診が重要になります。
・適応制限がある
前房深度2.8mm未満、角膜内皮細胞減少、円錐角膜、白内障や緑内障などがある場合は手術ができません。
ICLの費用
両眼60~70万円程度(乱視用含む)
あまり安い料金のものは国内未承認のICLを使っている可能性があるので注意が必要です。
医療ローン・分割払いに対応してくれる施設もあります。
レーシック
レーシックのメリット
即日~翌日で視力が回復します。
角膜をレーザーで削り、手術当日または翌日から裸眼視力が向上します。軽度の近視の方に適しています。
・費用が抑えられる
両眼20~30万円程度と、ICLに比べ初期費用は大幅に低めです。
・手術時間が短い
両眼合わせて10分前後。通院回数も少なく、日帰りで完結します。
レーシックのデメリット
角膜切除によるドライアイが悪化することがあります。花粉症と併発するとかゆみ・乾燥感が強くなる可能性があります。
・適応制限がある
強度近視、角膜が薄い、円錐角膜などの場合は手術ができません。
・不可逆性
一度削った角膜は元に戻せず、将来の度数変化に対応しにくいことと、見え方に満足がいかなかった場合でも元に戻すことができません。
・老眼には無力
近視矯正はできますが、老眼を治すことはできません。
レーシックの費用
両眼20~30万円程度
保証・検査料の有無で費用の変動幅が大きいので、受診される施設への確認が必要です。
コンタクトレンズ
コンタクトレンズのメリット
手術不要ですぐに装用可能であること。
眼科受診後、即日から使用できます。花粉症のことを考えるとアレルギー性結膜炎を誘発しにくい1Dayタイプが推奨です。
・初期コストは低い
1Dayで年間3~6万円、2Weekで2〜3万円程度。一時的にかかる費用は手術よりは少なく済みます。
・度数変更が容易
矯正度数を定期的に更新できるため、術後の屈折変化にも柔軟に対応できます。
コンタクトレンズのデメリット
花粉付着リスクがあります。レンズ表面に花粉や汗の成分が付着し、装用時の異物感やアレルギー性結膜炎悪化の原因となります。1dayコンタクトレンズは比較的このデメリットが少ないです。
・ケアが必須
1day以外は洗浄・保存が必要。手入れを怠ると感染症(角膜炎)リスクが高まります。
・装用感の変動
ドライアイや長期間の装用による眼瞼下垂、結膜の摩擦による不快感が起こることも。
コンタクトレンズの費用
・コンタクトレンズの費用
1Day:年3~6万円
2Week:年2~3万円
ケア用品(洗浄液など):数千円/年
眼鏡
眼鏡のメリット
花粉症に対しては最も強い。目に直接触れず、花粉症の人でもレンズが目の前にあるので、直接花粉が角膜に付着しにくいです。
・安全で手軽
手術・点眼ケアが不要で、度数変更時は眼鏡店でレンズを交換するだけです。
・低価格
フレーム+レンズで1~3万円程度から始められます。
眼鏡のデメリット
・スポーツのときに不便
フレームによる視野の制限はありますし、スポーツ時やにずれやすいですし、水泳のときは使用できません。
・レンズの曇り
マスクをしているとレンズが曇ることがあります。入浴はメガネをかけたまま行うことは可能ですが、この場合も曇りますし、洗顔や洗髪時には邪魔になります。
・強度近視ではレンズが厚く、重くなる
厚型レンズになると重量感が増し、鼻パッド部やこめかみが痛むこともあります。またレンズが厚くなると人から見て目が小さく見えてしまうので、特に女性には敬遠されがちです。
眼鏡の費用
フレーム:5,000~3万円
レンズ:5,000~1万5千円/枚
それぞれに一長一短があります。重度の花粉症で目のかゆみ・涙目が強い方は、ドライアイ悪化が少ないICLが最も有効ですが、費用と手術リスクを慎重に検討してください。レーシックは安価で即効性がありますが、ドライアイや結膜炎悪化の懸念があります。コンタクトは低コストで即日装用できますが、ケアと付着問題がつきまといます。眼鏡は最も安全ですが、視野とフィット感に限界があります。
花粉症の方がICL手術を受けた後に注意すべきポイント
ICL手術後、花粉症の方は以下のポイントに特にご注意ください。まず、術後1週間は必ず保護メガネを着用し、花粉や異物の侵入を防ぎます。処方された抗菌・抗炎症点眼薬は自己判断で中断しないようにします。術後の目薬は炎症を強力に抑えてくれる成分のものが含まれているので、花粉症でのかゆみがでることはほとんどありませんが、絶対に目をこすらず、かゆみが強いときは清潔なガーゼやタオルでそっと押さえる程度にとどめます。
術後1ヶ月間はカラーコンタクトレンズやアイメイクを避け、医師の許可を得てから再開してください。室内では空気清浄機を稼働し、こまめな換気で室内花粉を減らし、加湿器で適度な湿度(50~60%)を保つことが推奨されます。
花粉症でICL手術を受けたい方は、京都市伏見区のももの木眼科にご相談ください

花粉症があっても手術可能かなどICL手術に関する不安や疑問がありましたら、ぜひ京都市伏見区のももの木眼科へご相談ください。当院はICL認定施設であり、最新の精密検査機器を備えています。花粉飛散期にも安心な抗アレルギー点眼や保護メガネの使い方、術後の診察スケジュールまで、患者様一人ひとりに合わせた説明をさせていただきます。
来院不要の無料WEB説明会やオンライン相談では、具体的な手術の流れや費用シミュレーションなどを詳しく説明させていただきます。ホームページのWEB予約フォームから予約を取得してください。花粉症の方が快適にICL手術を受けられるよう、万全の体制でお待ちしております。