
緑内障を抱える方にとっては、手術の適応やリスクについての疑問がつきまといます。「緑内障でICLはできるのか?」また、「ICL手術後に緑内障になった場合、どのような影響があるのか?」といった疑問は数多く耳にします。
緑内障の進行状況や治療法についてしっかりと理解し、医師と相談しましょう。
緑内障を抱える方がICL手術を受ける際の注意点や、手術後の管理方法について詳しく解説します。
ICLとは
ICLとは眼内コンタクトレンズとも言われています。目の中に専用のレンズを入れて固定することによって近視を矯正する手術です。レンズは50年以上もつといわれ、手入れは不要です。
近視矯正手術ではレーシック手術が有名です。レーシック手術は角膜という黒目の部分を削って近視を矯正します。近視が強すぎると削る量が多くなりすぎるため適応外になる場合もあります。また、一度削った角膜は元に戻せないというデメリットもあります。
それに対してICLは強度の近視にも対応できること、レンズを取り出すことによって元の状態に戻すことができるという特徴があります。
ICLの適応条件
ICL手術を受けられる条件
ICL手術を受けられる条件は以下のようなものがあります。
1.18歳以上
2.近視の進行が止まっており安定している
屈折矯正手術ガイドラインの既定では18歳以上になっていますが、18歳の場合まだ近視の進行が止まっていない方が多いため、当院では20歳以上の方を対象にしています。
ICL手術を受けられない条件
ICL手術を受けられない条件は以下のようなものがあります。
1.近視度数が弱すぎる
強度の近視には広い適応範囲をもつICLですが、近視が弱すぎるとICLの適応になりません。具体的には-3D未満の近視に関してはICL手術は適応外となります。
国内未承認のICLでは弱い近視に対応するものもありますが、日本人での安全性を証明する実績が少ないため当院では採用していません。
軽度の近視はレーシックをした場合でも角膜を削る量が少なくてすむため、レーシック手術の適応となります。
2.遠視
遠視の場合もICLの適応にはなりません。遠視に対しても国内未承認のICLでは対応するものがありますが、当院では採用していません。
3.前房深度が浅すぎる
目の前方には、前房という角膜と虹彩の間のスペースがあります。その部分があまりにも狭いとICLを目の中に入れることができません。
前房深度はICLの術前検査で専用の前眼部OCT:CASIA2という検査機器を用いて測定します。ICL術前検査には必須の検査機器ですので、ICL手術を受ける場合はこういった検査機器が揃っている施設で治療を受けることを推奨します。
4.目の病気
円錐角膜、白内障や目の内部や外部に慢性的な炎症を起こす特殊な病気がある場合は、ICL手術を受けることができません。
5.特定の病気がある方、妊娠中の方
重症のアトピーや、免疫力が低下するような疾患がある方は傷が治りにくく、術後の細菌感染などのリスクが高くなるためICL手術を受けることができません。
また、妊娠中の方もICL手術を受けることはできません。
ICL手術を検討すべき条件
1.緑内障
緑内障がある場合は、程度やタイプによってはICL手術を受けることができません。
術前検査で手術が受けられるかどうかは判断出来ます。
2.老眼
老眼であってもICL手術を受けること自体はできますが、老眼はICL手術では治りません。
国内未承認のICLには老眼に対応できるものがありますが、当院では採用していません。
3.その他
角膜の病気に以前なったことがある方、ICL以外の目の手術を受けたことがある方、抗精神薬を飲まれている方などもICL手術については慎重に検討する必要があります。
緑内障の方はICL手術を受けられる?
緑内障は、目の中の圧力である眼圧によって、目の奥の視神経が圧迫され障害を受けることでおこります。視神経が障害を受けた部分の視野が欠損していき視界が狭くなっていきます。
緑内障にもタイプがあり、閉塞隅角緑内障というタイプの緑内障ではICL手術を受けることはできません。
その他のタイプの緑内障の場合は視野の欠損が軽度で、眼圧のコントロールが良好な場合はICL手術を受けることができるとされています。しかし、実際には緑内障には様々なタイプがあり進行度もひとによって千差万別ですので、ICLの術前検査の際にしっかりと状態を把握して、ICL手術が受けられるかどうかを判定する必要があります。
ICL手術によって緑内障になるリスクはある?
ICL手術を受けることによって緑内障になるリスクは、現在ではほとんどありません。
古いタイプのICLでは、ICL手術によって目の中の水の流れが悪くなってしまうことで、眼圧が急上昇し、緑内障の発作が起こるリスクがありました。
現在日本で広く使われているSTAAR社のICLには微細な穴があいており、それによって目の中の水の流れが悪くならないように作られています。これによってICL手術によって緑内障になることを防ぐことができるようになりました。そのため、現在日本で承認されているSTAAR社のICLであればICL手術によって緑内障になるリスクはありません。
ICL手術後に緑内障になった場合どうすれば良い?
頻度は少ないですが、ICLの手術後に緑内障を発症することはありえます。
緑内障は完治することのない病気なので、進行をできる限りゆっくりにすることが治療の目標になります。多くの緑内障は目薬だけの治療で、手術にはいたらないことが多い為、ICLは目の中に入ったまま治療をすることができます。
もし目薬だけで緑内障の進行を止めることができない場合は、緑内障手術が必要になることがありますが、その場合はICLは取り出すことができるので治療の妨げにはなりません。
また緑内障手術をする場合には、白内障手術も同時に行う場合が多いです。白内障手術でもICLは取り出す必要がありますが、白内障手術ではICLとは別の専用の眼内レンズを目の中に入れるので近視に戻ってしまう心配はありません。
ICL手術の流れ
手術前の流れ
ICL-WEB相談会
当院ではICL手術に興味がある方にむけて受診なしで説明・相談が受けられるWEB相談会を実施しています。この説明会の段階でICL手術に関する一般的な内容は全てご理解いただけるかと思います。また説明会を行うスタッフ自身がICL手術を受けているので実体験をもとにした説明をすることができるようにしています。1対1のweb面談の形式なのでプライバシーを確保し、自由に質問をしていただくこともできます。
明らかにICL手術の適応で無い場合は、この時点でわかります。せっかく受診したのに手術適応外だったということを防ぐことができます。
(【ICL-WEB相談】ご希望の方はページの最後のご案内より、ご予約をお願いします。)
ICL術前検査
ICL-WEB相談会で説明を聞いて、実際にICL手術を希望される場合はICL術前検査に進んでいただきます。様々な検査を行う為1時間30分程度の時間をご準備ください。検査後、院長による診察と、検査結果の説明、ICL手術を受ける場合にはどのような度数のレンズを選択するか、乱視用のICLレンズが必要かどうかなどについてご説明いたします。また、術前検査については以下の注意点があります。
1.瞳孔を開く目薬を使用する
瞳孔を開く目薬を用いての精密検査を行いますので、その後3−4時間まぶしくなり、近くが見えにくくなります。そのため、車、バイクの運転ができません。
2.コンタクトレンズの中止
正しい検査データを得るために術前検査の前に一定期間コンタクトレンズの使用を中止していただく必要があります。どの程度の期間の中止が必要かは、コンタクトレンズの種類によって異なりますので、WEB相談会で詳しくご説明いたします。
3.再検査が必要な場合がある
1度目のICL術前検査の結果によっては、再検査を行う場合があります。
その場合は別日にもう一度ご来院いただく必要があります。
手術当日の流れ
手術の3日前から術後の感染症を予防するための目薬をしていただきます。
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手術の当日はご予約時間にご来院いただき、手術前の処置として専用の目薬をしていただきます。
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手術室にはいるためのガウン、帽子を装着していただき、血圧測定などでお身体にご無理がないか確認いたします。
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手術時間までお身体を休めていただきます。手術前の専用のスペースにゆったりとしたソファがあります。また、プライバシーの保たれた状態でお待ちいただけます。
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手術室に入っていただき、手術を開始いたします。。手術中は笑気麻酔という吸入式の麻酔を使用し、不安や緊張を和らげます。手術そのものは片目5分ずつ程度ですが、消毒や清潔シーツの準備などが必要になるため手術室の滞在時間は20分ほどになります。
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手術後しばらくお休みいただいた後に診察を行います。問題なければご帰宅となります。
手術当日は視力は0.3程度までしか見えないので、車やバイクの運転はできません。
手術後の流れ
手術後は翌日、3日目、10日、1ヶ月後を目安に受診をしていただきます。その後の受診に関しては目の状態によって受診間隔が変わってくるので、その都度お伝えします。
手術後の点眼に関しては1ヶ月程度続けていただく場合が多いです。
ICLのメリット
ICL手術の最大のメリットはメガネ、コンタクトレンズが不要になることです。朝おきた瞬間に周囲がしっかりよく見えるのに感動したというお声をよくいただきます。また、災害などの非常時にメガネやコンタクトを紛失した場合の不安がなくなることも大きなメリットといえます。同じく近視矯正の手術であるレーシックでは角膜を削るという手術の性質上、ドライアイが悪化したり、コントラスト感度が落ちたりというデメリットがありますが、ICLではそういったことがないこともメリットです。
ICLのデメリット
ICL手術のデメリットは、金額の高さです。両眼で60万ー70万円かかることが多いです。しかし将来的にずっとコンタクトレンズを使用し続けることを考えると、長期的にはICL手術のほうが安くなる可能性があります。また当院では医療ローンを使用することもできますので一度ご検討ください。
安全性が高いとはいえ、外科手術のため合併症のリスクはゼロではありません。しかし、徹底した術前検査、手術手技、術後管理によってそのリスクを限りなくゼロに近づけることができます。当院では、そのための設備、システムを整えています。
緑内障の方でICL手術を検討中の方は、ももの木眼科にご相談ください

ひとくちに緑内障といっても、緑内障の予備軍のような状態の人から、緑内障による視野欠損がはっきり出ている人まで、人によって全く状態が異なります。ももの木眼科では緑内障の検査に必要な視野検査やOCTといった検査機器も大病院レベルのものを備えていますので、緑内障があるのか無いのか、ある場合どういったタイプのものなのかをしっかり把握することができます。
その上でICLの手術を受けることができるかどうかを医師より丁寧に説明いたします。ICL手術についても、緑内障についても豊富な経験をもつ医師が説明をいたしますので、緑内障の方でICL手術についてのご不安がある方は京都市伏見区のももの木眼科にご相談ください。