
視力矯正手術として注目を集めているICLですが、この手術は、メガネやコンタクトレンズに代わる新たな選択肢として、注目されています。
しかし、手術を受けた後に「後悔した」という声も少なくありません。その理由や、後悔を避けるためのポイント、さらには信頼できる眼科の選び方について詳しく解説します。手術を検討している方にはぜひご一読ください。
そもそもICLとは
ICLとは、目の中に入れて固定することにより、近視を矯正するための専用レンズです。
眼内コンタクトレンズと呼ばれることもありますが、素材から使用方法まで通常のコンタクトレンズとは全く異なるものです。目の中に入れるためのレンズですので、コラマーという専用の柔らかい素材でできており、手術後は手入れ不要で50年以上機能し続けます。
近視矯正手術として有名なレーシックとも全く異なるもので、角膜を削るレーシックと比べて、ICLは特に強度の近視にはよりよい成果を期待できます。
ICLは厚生労働省に認可された安全性の高い手術
ICL手術は安全性の高い手術といわれています。世界では200万例以上の実績があります。
日本ではスター社のICLが厚生労働省に認可されており、今では日本でも年間1万件以上の手術が行われています。またスター社の主催するICL認定制度というものがあり、既定の訓練を受け、いくつもの基準をクリアした眼科専門医だけがICL認定医の資格を取ることができます。厚生労働省に認可されたICLを使用し、かつICL認定医による手術を受ける場合は、ICL手術は安全性が高いと考えてよいと思います。
ICL手術を受けて後悔するケース
ICL手術は安全性の高い手術ではありますが、術後の見え方や手術のリスクをよく把握しないまま手術を受けると後悔するケースもあります。事前にICL手術のリスクについても、しっかり教えてくれる眼科で手術を受けることをお勧めします。
ハロー・グレア現象
ハロー・グレア現象とは、ICL手術、レーシック手術、白内障手術などのあとに見られる光の見え方のことです。ハローは光が滲むような見え方、グレアは光がギラついて伸びて見えるような見え方です。ICL手術はレーシックと比べると術後の見え方はクリアでハロー・グレア現象は少ないです。しかし、ICL手術後は光源の周りに薄い輪が見えるようなハローがほとんどの方で生じます。意識すると見えますが、生活をする上では気にならない程度のため基本的には問題になりません。
眼圧の上昇
古いタイプのICLでは手術後に目の中の水の循環が悪くなって、目の中の圧力(眼圧)が高くなってしまうことがありました。しかし現在日本で承認されているスター社のhole-ICLは、ICLに水の循環をよくするための穴が開いており、眼圧が上がらないようになっています。
視力の過矯正
あまり強い度数のICLレンズを入れてしまうと過矯正という状態になります。過矯正になると視力自体は良いのですが、非常に疲れやすい目になってしまいます。ひどい場合には眼精疲労による頭痛、めまいが生じることもあります。術前検査によって過矯正にならない範囲の適切なレンズを選ぶことが重要です。
レンズの位置ズレ
レンズのサイズが合わないことによる位置ズレがおこる場合があります。この場合はレンズの入れ替えが必要になります。現在では前眼部OCTカシア2という精密検査機器があり、それによって術前検査をした場合、ICLレンズが合わないことはまずありません。こういった検査機器が完備されている病院で手術を受けるのが重要です。また、乱視用ICLは決まった方向に固定しないと効果を発揮しませんが、頭部に強い衝撃を受けると向きがズレてしまうことがあります。この場合は、レンズの向きを修正する手術が必要ですが、入れ替え手術とは違うので目の負担は少ないです。
レンズの度数ズレ
レンズの度数が合わず、過矯正なったり、度数が足りなくて近視が残ってしまう場合があります。術前検査で国家資格をもつ視能訓練士による視力検査、専用の目薬を使用した近視度数の検査、高度な機能をもつ精密機器による検査を行えば、レンズの度数ズレにより入れ替えが必要になることはまずありません。しかし、若い方でICL手術後にまだ近視が進んでしまう場合があります。あまり近視が進んでしまった場合には、ICLの入れ替え手術が必要になることもあります。
感染症
ICL手術で起こりうる最も重大な合併症が、細菌が手術の傷口から目にはいることによっておこる感染症です。確率は0.0167%と高くはありませんが、ゼロではありません。手術中の清潔操作、機器の滅菌、術後の清潔を保つこと、術後点眼をしっかりすることによって限りなく可能性をゼロに近づけることができます。
ICLで後悔しないためには術後の過ごし方が重要
ICL手術後は目を清潔に保ち、汚れが入らないようにすることが重要です。感染症が起こる場合は、ほとんど手術後1週間後までに起こりますので、その期間が特に重要です。当院では手術を受ける方には、術後の制限について細かく記載した表を手術のしおりに記載してありますので、それにしたがってもらえれば大丈夫です。
また病院より処方される術後の目薬を用法通りにしっかり使用することも非常に大事ですので、自己判断で中断しないようにしてください。
ICLのメリット
コンタクト、メガネから解放される
コンタクトレンズやメガネから解放されるのが何より大きなメリットです。朝起きた瞬間から視界がクリアに見えるということの感動は素晴らしいものがあります。単にコンタクトレンズやメガネのわずらわしさから解放されるということだけはありません。災害時にコンタクト、メガネがなくなった場合に非常に危険な状態にさらされますので、そういった不安も解消されます。
良い視力を長期的に継続できる
ICLは安全性の高い手術であり、メンテナンス不要で50年以上そのまま使えます。ICL手術後に近視が進んだりしなければ、長期的に良好な視力を保てます。
レーシックよりも適応範囲が広い
レーシックは角膜を削るという手術の性質上、あまり近視が強い場合には手術を受けることができません。仮に手術を受けることができた場合でも重度のドライアイがでたり、ハローグレアが強く出てしまうことが多いです。それに対してICLは角膜を削る必要はなく、強度近視に対しても単純に度数の強いレンズを使用すればよいだけなので、より広い範囲の近視に対応ができます。
可逆性がある
レーシックは角膜を削る手術であるため、一度手術をすると元にもどすことはできません。対してICLはレンズを取り出すことができますので、もとの状態に戻すこともできますし、レンズを入れ替えることもできます。ただし、入れ替え手術は目への負担が大きいので1−2回程度までにしておいたほうがよいでしょう。
ICLのデメリット
安全性が高く、術後の満足度も高いと言われているICL手術ですが、デメリットもあります。ICL手術を受けて後悔しないためにはデメリットもしっかり把握した上で手術を受けることが望ましいです。
可能性が低いとはいえリスクがある
ICLは手術なので100%安全ということはありません。ICLの進歩によって白内障や緑内障になるリスクはほぼゼロといっていいところまできています。しかし、手術の傷口から細菌が入って感染症が起こる確率は0.0167%と低いですが、ゼロではありません。そういったデメリットが生じる可能性を理解し、簡単な手術だから、と安易にICL手術を受けることはお勧めしません。
一定の治療費がかかる
ICLレンズは非常に精密で高性能なものですので、レンズ自体にかかるコストが大きいです。そのため角膜を削るレーシック手術と比べると高額になります。概ね両眼で60万〜70万円の費用がかかります。
ICLが向いている人・向いていない人
ICLは満足度の高い手術ですが、全ての人にとってよいという訳ではなく向き不向きがあります。
向いている人
1.強度の近視・強度の乱視の人
強度の近視や乱視はメガネやコンタクトでは矯正しきれないことが多いです。また、レーシックでは強度の近視や乱視には対応できません。このような場合は、ICLが満足な視力を得られる唯一の手段になることがありますので、ICL手術に向いているといえます。
2.メガネやコンタクトで問題がおきている人
長時間のメガネ装用で鼻パッドの部分や耳に痛みが出てしまう人や、コンタクトレンズでアレルギーやドライアイがひどくでる人がいます。そういった人はICL手術をすればそれらの問題から解消されるため、ICL手術に向いています。
3.老眼がはじまっていない人
現在日本で承認されているICLは、老眼には対応できません。ですのでまだ老眼がはじまっていない40歳くらいまでの人がICL手術に向いています。
向いていない人
1.軽度の近視の人
軽度の近視の場合は、メガネやコンタクトレンズでの矯正が容易です。現在日本で承認されているICLは−3D以下の軽度の近視には対応できません。また、軽度の近視の場合はレーシックでも角膜を削る量が少なくて済むので満足な結果が得られることが多いです。
2.メガネやコンタクトで特に問題を感じていない人
普段使っているメガネやコンタクトレンズで特段不便に感じていない場合は、無理にICL手術を受ける必要はありません。
3.術後のハローグレアなどが気になりそうな人
ICLはレーシックと比べ術後の見え方がクリアだとは言われていますが、ハローグレアは必ず起こります。特に光源の周りに薄い輪のようなものがみえるハローはほとんど必発ですので、このような見え方が気になってしまいそうな人はICL手術には向いていません。
ICLで後悔しない眼科の選び方
ICL手術は機械がレーザーで行うレーシックとは異なり執刀医の技術に結果が左右されますので、信頼できる病院で手術を受ける必要があります。
ICL認定施設であることを確認する
ICL手術には認定医制度があり、厳しい基準と技術指導をクリアした施設、医師のみが認定を受けることができます。まずはICLの認定をもっているのかを確認することが重要です。
手術実績を確認する
大手の近視矯正クリニック以外の個人クリニックでICL手術を行っている場合は、そのクリニックの白内障手術の実績を確認することが重要です。ICL手術は白内障手術の技術がそのまま応用できる手術ですので、白内障手術の実績があるクリニックであれば技術的な面では安心です。
費用体系が明確か確認する
ICL手術では、広告で安い料金が掲示されていたので受診してみたら色々と追加料金が発生して結局ものすごく高額になってしまう、ということがあります。当院では患者様にわかりやすいように、乱視なしの場合は両眼66万円、乱視ありの場合は両眼70.6万円とシンプルな料金体系にしています。手術が終わって落ち着いた後は、入れ替え手術が必要などの特殊な例を除いては追加費用はかかりません。
カウンセリングで実際に医師と話してみる
ICL手術を受ける場合は、術前検査で必ず医師による診察があります。その際に一般的なICL手術のことだけでなく、ご自身の目に関しての個別の説明をしてくれるか、質問にしっかり答えてくれるかを確認してください。この部分をしっかりされている眼科医であれば流れ作業ではなく、個々の患者さんをしっかり診てくれていると考えてよいと思います。
手術執刀医と術後診察をする医師が同じであることを確認する

ICL手術を執刀する医師と、術後診察をする医師が異なる場合があります。なかには手術執刀医師は手術だけをして、術後診察は全く診ないという場合もあります。やはり術後のことは手術を執刀した医師が一番わかっていますので、個人的には少なくとも術後1ヶ月までは責任をもって執刀医が術後診察をするべきだと考えています。当院ではICLの執刀医師が責任を持って術後診察をしております。
ICL手術で後悔したくない方は、ももの木眼科にご相談ください
ICL手術はかなりメジャーになってきており、安全性が高く、術後満足度も高い手術といわれています。しかし、リスクがゼロの手術というものは存在しません。インターネットや人づてに色んな噂を聞いて不安に思っている人も多いと思います。ご自身で手術に関する情報を収集することは非常に重要ですが、ある程度知識が得られた後は実際に手術を行っている病院に一度相談されるのがよいと思います。当院では受診不要でオンラインで相談できるICLのWeb相談会を実施していますので、ICL手術で後悔したくない方は一度ご相談いただければ幸いです。