白内障手術の合併症
京都市伏見区のMOMOテラス内にあるももの木眼科は、“大切な目を守り続ける”をコンセプトに地域の皆様から信頼される眼科を目指し日々診療にあたっております。このブログでは、目に関する患者様のお悩みにお応えできるようなさまざまな情報をお届けして参ります。白内障手術は視力回復のための一般的な処置ですが、どんな医療行為にもリスクは伴います。手術が成功したにもかかわらず、合併症が発生する可能性があることを知り準備することが大切です。このブログでは、白内障手術の合併症について、その種類と予防策に焦点を当てて解説します。
術中に起こり得る合併症
嚢の破損とその対処法
白内障手術では、時に水晶体を包む薄い膜、いわゆる嚢が破れることがあります。これは「破嚢」と呼ばれ、特に白内障が進行しているほど発生リスクが増します。破嚢が起こると、眼内のゼリー状の硝子体が前方に移動することがあり、その場合は硝子体を取り除いた後で、眼内レンズを嚢の残った部分に慎重に固定します。
チン小帯の損傷とその対策
嚢はチン小帯という繊細な組織によって支えられていますが、この部分が手術前に弱っているか断裂している患者様がごく稀におられます。軽度の場合、特別な器具を使用して嚢を支えながら眼内レンズを挿入することが可能です。しかし、チン小帯が大きく損傷している場合は、眼内レンズを嚢に固定することができず、眼にレンズを直接縫い付けるなどの高度な手術が別に必要になることがあります。
術後に起こりうる合併症とその予防
細菌感染のリスクと予防
白内障手術は成功率が高いものの、稀に手術による傷口から細菌やウイルスが侵入するリスクがあります。特にアトピー性皮膚炎や認知症のある方は、無意識のうちに目をこする行為が感染リスクを高めるため、術後は特に注意が必要です。
術後の眼の保護
手術後は目をこすらないようしましょう。傷口からの細菌の侵入を防ぐだけでなく、眼の中の水分である前房水の漏れや、眼内レンズの脱落を防ぐためです。
視力回復と適切な休息
白内障手術直後に眼を過度に使用することは、嚢胞様黄斑浮腫の原因となります。眼の奥が腫れるこの状態を避けるためにも、術後1ヶ月は眼の使用を控えめにし、適切な休息を取ることがすすめられます。
後発白内障の可能性と対応
白内障手術後の合併症である後発白内障は眼内レンズが異物として作用し、囊の一部が濁ることで起こります。発生した場合はレーザー手術(YAGレーザー嚢切開術)で対応可能ですが、必要となる時期には個人差が大きいため、定期的な検診が不可欠です。
定期検診の重要性
白内障手術後は、定期的な検診が非常に重要です。合併症の早期発見と治療により、長期的な視力保持につながります。手術後のケアと定期検診によって、合併症のリスクを最小限に抑え、安心して日常生活を送ることができます。
まとめ:安心して手術を受けていただくために
白内障手術は高い成功率を誇りますが、合併症のリスクを理解し、適切な術後ケアと定期検診を行うことで、より安心して手術を受けていただくことができます。医師の指示をよく守り、気になることがあれば早めに受診し、ご自身の目の健康を守りましょう。ももの木眼科でも合併症の予防や対策はしっかりと準備をして手術に臨んでおりますのでご安心ください。また術後にご心配なことがありましたら些細なことでもお気軽にご相談ください。