白内障が進行すると
京都市伏見区のMOMOテラス内にあるももの木眼科は、“大切な目を守り続ける”をコンセプトに地域の皆様から信頼される眼科を目指し日々診療にあたっております。このブログでは、目に関する患者様のお悩みにお応えできるようなさまざまな情報をお届けして参ります。白内障は、目の水晶体が濁って視力が低下する病気です。初期段階では軽微な視覚の変化に過ぎないこともありますが、治療を受けずに放置すると、次第に生活に大きな支障をきたす可能性があります。このブログでは、白内障を進行した場合に生じうるトラブルに焦点を当て、そのリスクと予防策について解説します。
白内障が進行すると起こる6つのリスク
視力の大幅な低下
白内障が進行し、水晶体の濁りが強くなると、網膜に届く光が限られ、物が認識できなくなる可能性があります。視力検査で最も大きな文字さえ読むことができなくなり、日常生活においても遠近感が掴みにくくなります。これにより、物にぶつかる、転倒するなどの危険が増加し、交通事故や転落事故などの重大なリスクにも繋がります。
手術の困難化
白内障が進行すると、水晶体が固くなり、手術時に超音波で砕くことが難しくなります。これにより手術中のトラブルが増え、手術後の視力回復が期待できない場合もあります。
眼内レンズの挿入困難
水晶体が硬くなりすぎて通常の手術が不可能な場合があります。その際には「水晶体嚢外摘出術」が行われることがあります。これは大きな切開が必要な手術で、回復までに長期間かかる可能性があります。乱視が生じたり、角膜内皮細胞が損傷したりするリスクがあります。さらに、眼内レンズを挿入できない事態になると、より複雑な固定手術が必要となります。
他の眼疾患の見逃し
水晶体の濁りにより、眼底検査が困難になり、正確な検査データが得られなくなり、糖尿病性網膜症や網膜剥離、緑内障など他の重篤な眼疾患の発見が遅れることがあります。また、白内障手術時に、眼内レンズの度数を決めるための眼軸長を測る検査データも正確に測定することが困難となり、予想していた視力が得られないことも起こり得ます。
水晶体融解性ぶどう膜炎
ごく稀に水晶体の濁りが過剰に進行すると、水晶体が溶け出し、強い炎症を引き起こす「水晶体融解性ぶどう膜炎」が発生することがあります。この状態は充血と激しい痛みを伴い、時には緊急手術が必要になるほどです。
急性緑内障発作
水晶体が膨張し、眼圧が上昇することで、急性緑内障発作を引き起こす可能性があります。これは失明の危険性が高い状態で、早急に処置の必要がある病気です。視野欠損や最悪の場合、失明に至ることもあります。一度欠損してしまった視野を取り戻すことはできません。
白内障の進行を遅らせるためにできること
白内障の進行を遅らせるためには、定期的な眼科検診が重要です。初期段階での発見により、適切な治療を受けることで、上記のリスクを大幅に減少させることができます。また、紫外線から目を守るサングラスの着用や、栄養バランスの取れた食事を心がけることも、白内障の予防に役立ちます。
しかし、白内障は加齢によるものなので、進行を完全に止めることはできません。
まとめ:白内障の進行は早期治療が大切
今回は、白内障が進行するとおこりうるリスクについて解説をしました。白内障は放置することで多くのトラブルを引き起こす可能性がありますが、早期発見と適切な治療により、これらのリスクを回避することが可能です。定期的な眼科検診を受け、健康な視力を維持しましょう。ももの木眼科でも専門医による検査・治療にご対応しております。白内障の症状でご心配な方は一度当院までお気軽にご相談ください。