老眼はICLで治せる?
京都市伏見区のMOMOテラス内にあるももの木眼科は、“大切な目を守り続ける”をコンセプトに地域の皆様から信頼される眼科を目指し日々診療にあたっております。このブログでは、目に関する患者様のお悩みにお応えできるようなさまざまな情報をお届けして参ります。ICL(眼内コンタクトレンズ)は、角膜を削る必要がなく、小さな切開創からレンズを挿入することで、近視や乱視を矯正する治療法です。角膜に負担をかけず視力矯正ができることから今注目されています。今回は、“老眼はICLで治せる?”についてご紹介します。
老眼とはどのような状態をいうのでしょう?
老眼は、加齢により目のピント調整力が衰えることが原因で、主に遠くから近くにピントを合わせる際に近くのものが見えづらくなる症状です。老眼は目の病気ではなく、むしろ老化現象であり、視力に関係なく誰にでも現れるものです。モノを見る際、私たちは水晶体(カメラのレンズに相当する部分)の厚みを調整してピントを合わせています。しかし、年齢とともに水晶体が硬くなり、その弾力が低下することと、ピント調整をするための筋肉が衰えてしまうため、水晶体の厚みを調整することが難しくなります。40代後半からは、多くの人が老眼を自覚し始め、目のかすみや疲れ、肩こりなどが主な症状として現れることがあります。
ICLで老眼は矯正できる?
ICL(眼内コンタクトレンズ)は、眼にレンズを挿入する手術です。別名「有水晶体眼内レンズ」とも呼ばれ、水晶体を取り出さずに行うため、ピント調整のための水晶体は保持され、裸眼で視力が保たれます。しかしながら、ICLは屈折異常の矯正に適しており、老眼のように水晶体自体に影響を及ぼす症状には効果がありません。そのため、ICL手術を受けていても、年齢による老眼の進行により、近くの視力が低下する可能性があり、近くを見る際には老眼鏡が必要となることがあります。
現在、ICLは屈折異常だけでなく、老眼にも対応した「老眼用ICL」(遠近両用眼内コンタクトレンズ)が存在します。これは2014年に発売が始まり、2017年に現行モデルとなりました。世界中で累計10万枚以上の挿入実績を持ち、ヨーロッパを中心に40カ国以上で使用されています。ただし、日本では2015年から治療実績があるものの、厚生労働省からの正式な認可はまだ得られていません。眼科医として今後の展開には大きな期待を寄せています。